今日は天気も良かったし、南禅寺へ紅葉狩りへ行ってきた。春に桜を見に行ったとき、僕は南禅寺はとてもいいと思って、しかしここは紅葉のほうが有名だと言うので、絶対に来なくちゃいけないと思っていたのだ。
三門へ向かう道へ出たとたん、ため息が出る。清水寺の紅葉や桜のきれいさというものが、寺の伽藍、そして京都の街をひと目で見渡すことができる、あの一発の風景の素晴らしさであるとすると、南禅寺は徹底的に作り込まれた、計算され尽くした美しさなのだな。
とくに印象に残ったのが、松の青々とした色と、紅葉の赤、これが何ともうまいことあしらわれていて、紅葉は緑色を背景とすると、またきれいなわけだが、それが松であるというところが、たまらなく気が利いている。
三門を上がると、正面に、柱と梁でできた四角い空間を通して、一番きれいな紅葉が、まるで額縁に飾られた絵のように、うまい加減で見えるようになっている。
三門を抜けると、庭いっぱいの紅葉が広がるのだ。
裏山をきちんと借景とすることも、もちろん忘れていない。
紅葉は赤いのだけでなく、オレンジなのや、黄色いのや、色々ある。
どこをどういう風に見ても、きれいに見えるように作られていることが、はっきりと伝わってきて、これを設計したのが誰なのか知らないが、ほんとにすごい人だと思い、感動のあまり思わず涙ぐんでしまった。
方丈の庭もまたすごかった。
暗い廊下を曲がると、いきなり広がる鮮やかな風景。
これでもかと言わんばかりの、炸裂しているかのような紅葉。
この落ち葉もまた、計算の結果であるに違いない。
排水溝の落ち葉までもが芸術的。これほんとすごいですわ。