ちょっと前に
ブログで「ホワイトソースの作り方」というのを見て、僕はホワイトソースがどういうものなのか、まったく知らなかったのだが、バターに小麦粉、それに牛乳で出来ているということだったのだ。小麦粉はとろみを付けるためのものだろうから、要はバターと牛乳ということだよな。なるほど、いかにもヨーロッパの酪農家が、自分のとこで取れたものでぜんぶ賄ってしまいました、というような素朴な料理だ。バターも元は牛乳からできているのだから、これは豆腐の味噌汁、みたいなものとちょっと似た感覚だな。
それでこれを鍋に応用しようと思ったのだが、このブログを見てからずいぶん時間が経ってしまったというのは、果たしてこの牛乳とバターの味が、日本酒に合うものなのか、確信が持てなかったからなのだ。トマトソースの場合は、僕は冷やしトマトを酒のつまみにするくらいだから、相性がいいのはわかるのだが、牛乳と日本酒って、飲み物として子供の代表と大人の代表、まさに正反対、全然合わなそうな感じがするじゃないか。
しかしこういうものは、考えていても埒があかないので、昨日、作ってみることを決心したというわけなのだ。牛乳、久しぶりに買ったわ。
作り方としては、小麦粉はとろみを付けるためのものなわけで、鍋にとろみは必要ないから、省略して、牛乳とバターをそのまま入れる、という手に出ることにした。あとはトマト鍋を作るのと、基本的に同じやり方だ。
鶏もも肉を適当な大きさに切って、裏表塩をすり込み、まじ、というくらいたっぷりのオリーブオイルで焦げ目が付くまで焼く。
くし切りにした玉ねぎと、水にさらしたジャガイモを入れ、ちょっと炒める。
ここで一度火を止め、牛乳をじゃばじゃばと入れ、だいたい同じくらいの分量の水を入れる。これは当然、牛乳をたくさん入れれば濃い味になり、少なく入れればうすい味になる、ということなわけだから、好みで好きなだけ入れればいいのだ。
ここで火をつけ、バターを入れる。バターの量も適当。
粉チーズをこれでもか、とばかりにふりかける。それで沸騰してきたら味を見ながら、塩を入れて味を決める。
キャベツがちょっとしんなりしたら、しめじ。これで出来上がりだ。
これはですねえ、か、な、り、うまかったです。日本酒にもバッチリ。これべつに牛乳の味じゃまったくないので、初めから恐れることなどなかったのだ。案ずるより産むが易しって、このことすね。