家からわりと近くの、天下一品二条店の東隣にあるこの店、食べログを見てただ激辛が売り物なだけの店かと思っていたら、「おばちゃんが長年やっている」と書いてあるのが気になって、行ってみることにしたのだ。僕はおばちゃんがやってる店、好きなのだな、なぜか。やはり家庭の味に飢えているのか。
外観、店内ともに、落ち着いた、品のいい造り。「おばちゃん」は一度ちょろりと顔を見せただけで、あとは厨房で料理をしているようだったが、娘さんなのか、若くて愛想のいい、丸顔のかわいいオネエちゃんが、心づくしの給仕をしてくれる。
テーブルにはメニューのほかに、「アナログ時子のツイッター」と題して、月替わりと思しき長文のメッセージが置かれている。こういうことを続けてきたからなのだろうな、今年で25周年を迎えたのだそうだ。実際午後1時半過ぎの、ずいぶん遅い時間に行ったのだが、お客さんはまだぽつぽつと切れずに現れていた。
メニューは日替わりが730円、コロッケカレー、カツカレーが780円、激辛の沙羅カレーというのが1,000円、あとはビーフカレーやチキンカレーが900円。カツカレーよりチキンカレーが高いというのは、不思議な値段設定。聞いたら沙羅カレーはかなり辛いというので、僕は辛いのは嫌いじゃないが、とくべつ好きというわけでもないので、無難にカツカレーにしてみた。
まずスープ。鶏がらだしに醤油で味を付けたものかと思ったが、もしかしたら洋風のもっと手の込んだものなのかも。洋風のことはようわからん。
カツカレー。かなり大きな皿に盛られたご飯全体に、カレーがかけられている。僕はこのかけ方は好きだ。ご飯とカレーを半々に盛ってこられると、配分が気になって落ち着いて味わえないのだ。さらにご飯のまわりに、フランス料理のソースみたいにカレーをたらしているところが、ここのおばちゃんの洒落たところなのだな。かわいいな。
味は、ひとことで言うとボンカレー系。レトルトカレーみたいに安っぽいという意味ではなく、系統として、ボンカレーのような味がするという意味。世の中には、ボンカレー系のカレーと、ボンカレー系ではないカレーとがある。何をどうしたら、こういう味になるのかよくわからないが、わりとあっさりしていて、辛味はけっこうあるが、スパイスの風味は弱め、酸味がけっこうあるのと、あとたぶん牛肉のだしがたっぷり入っているのじゃないかと思う。
カツは薄めの肉をかりっと揚げてある。全体としてさっぱりしていて、よくチェーン店のカレーを食べた後のように、胃がもたれるなどということは全くない。
普通といえば普通のカレーだが、店全体として、おばちゃんのもてなしの気持ちが溢れているのだな。
25周年だというので、初めての僕にも、記念品のチョコレートをくれた。また行かなくちゃ。
かれいはうす沙羅 (
カレー /
二条駅、
二条城前駅)
昼総合点
★★★★☆ 4.0