ここの市場で、ラーメンを食べるなら「石田食堂」、定食を食べるならこの店に、ほぼ決まりなんじゃないか。
中央市場としても、関連棟の方には、一般の人にも来てほしいと思っているらしく、入口のあたりにかわいいイラストのマップなどが貼ってあったりするのだが、やはり食堂も、いくつかまわってみると、市場で働いている人のみを対象にしていると思える店と、そうではなく、一般の人をも対象にしようとしている店とに、分かれるんじゃないかと思う。
この店は後者。
とにかくまず小ぎれいで、ほかの食堂にくらべて新しいということかとは思うのだが、市場内の店とは思えぬ、市内の一般の店とくらべて、遜色ないつくりをしている。
店頭にはきちんと、昼定食の看板も出ている。
それから営業時間。
早朝からやっているのは、ほかの店と同じだが、ほとんどの食堂が12時か、1時ごろには閉まるところ、この店はラストオーダーが午後2時半。
これは完全に、一般の人に向けた時間設定だよな。
メニューはまず昼は、日替わりの昼定食、750円。
今日のは「鶏の柚子こしょう焼」だったが、他の人が頼んだのを、ちらりとのぞき見したら、皮を剥いだ鶏のもも肉が、まるまる一枚ついてくるみたいで、けっこうな量だった。
ほかの一般メニューは、筆頭がお造り定食、そのほかに、とんかつだの、煮魚だの、エビフライだの、唐揚げだの、きずし、これは京都でシメ鯖のことなのだが、だのの、魚料理を中心とした定食が並んでいる。
最高額はお造り定食の950円、最低額はお茶漬け定食が500円、という感じで、わりと安い。
で僕が今日たのんだのは、やはり市場へ来たら、いってみないとな、お造り定食。
小鉢が三品付くのだが、まずゴーヤと春雨のサラダ。
それから、かぼちゃの炊いたん。
青菜の炊いたん。
これがどれも、きちんと手がかかっている感じがして、とくに青菜の炊いたんは、京都らしくあんかけにしてあるという、小じゃれたつくり。
大将はまだ若く、50前じゃないかと思うのだが、たぶんどこかで、きちんと修行してきて、ここで独立した、とかいうことなのだろうな。ふつうの食堂のレベルを、明らかに超えている。
当然市場で仕入れるのだろう、きちんとうまいし、量も十分。
観光で立ち寄る、とまではいかないかもしれないが、京都で安く魚料理を食べようとするのなら、この店、かなりいいのじゃないか。
あと朝からビールを飲みたいと思ったら、完全にうってつけだな。
食彩 よしもと (定食・食堂 / 丹波口駅)
昼総合点★★★★☆ 4.0