カプセルホテルとは、風呂を中心とした、一大エンターテイメント空間であるという、ビジネスホテルには全くない、完全に異なった側面をもつものだからだ。
多くのカプセルホテルは、サウナや各種浴槽、露天風呂などを備えた、大きな風呂をもっていて、ここでくつろいだ時間を過ごすということを、サービスの核としている。
日本人の風呂好きは、つとに知られた話で、大きな風呂にゆっくりつかるということを、至上の喜びとしている人は、僕を初めとして数多い。
カプセルホテルというのは、まず第一に、そういう人のためにある場所であるということだ。次に「館内着」という、寝間着のようなものを着て、館内のすべての場所に出入することができる。
そこには、飲食ができる場所や、大きなソファでゆっくりとくつろぐ場所、マッサージ、風呂場にはアカスリなど、様々な娯楽が提供されている。
ソファでくつろぐだけなら無料だが、その他のサービスは当然有料で、気を付けないと、最終的にはビジネスホテルより高い値段を払うことになり、カプセルホテルの側も、ここでの収益を見込んでいるから、宿泊自体の値段を下げることができるわけだが、寝間着のままうろついて、そこで色々サービスを受けるというのは、ちょっとした王様気分、なんともいいものだ。
カプセルという狭い空間に押し込められ、すぐ近くに他人がいる場所で寝るということに、難を感じる向きもあるかもしれないが、だいたい大きな休憩室の、ゆったりとしたソファーで、十分眠くなるまでビールを飲み、そのままカプセルへ移動して寝る、という流れになるので、狭さが問題となることは全くない。
実際カプセルは、寝たり、備え付けのテレビを見たり、する分には、十分な広さがある。
他人のイビキが心配かもしれないが、たしかにイビキがうるさいことはあるが、イビキというのも不思議なもので、皆がいっせいにかき始めたと思ったら、しばらくするといっせいに止む。
だから夜中じゅうイビキがうるさく、朝まで眠れない、などということは、基本的にない。
これまで行ったサウナで良かったのは、大阪にある「大東洋」で、ここは完全に男性天国、古代ローマ調の大きな風呂場があり、また風呂場には、アカスリの韓国人のオネエちゃん、休憩室にはマッサージのタイ人のオネエちゃんが、お客に愛想よく営業を仕掛けてくるという、たまらないところ。
営業に負けて、オネエちゃんと楽しい時間を過ごすのもよし、そうでなく、ただその賑やかな雰囲気を楽しむだけというのもよし、という場所だ。
まず何より、新しい。
昨年12月にオープンしたばかりで、まだ1年たっていないため、どこもかしこも新品、ピカピカ。
宿泊施設は、やはり新しいということに越したことはないわけで、そういう意味でここはまず、大きな利点がある。
次に安い。
朝食込みで、一泊2,900円。
全国的なカプセルホテルの相場より、1,000円近く安くなっている。
さらにチェックアウト時には、500円相当の、生ビール一杯無料券をくれるから、次回も利用すれば、実質2,400円ということになる。
そしてこの朝食が、激ウマ。
一階に、宿泊客以外にもふつうに開放されている、レストランがあるのだが、料亭で修行した職人が大将を務めているとのことで、ビジネスホテルの朝食などだったら、比較にならず、一般のホテルの、ちょっと高級な部類に属するようなところと、同じくらいの味がする。
どれも驚くほどうまいが、とくにこの鮭など、ほっくりしていて、脂がのっていて、家でも食べられないくらいの味だ。
このカレーも、さすがに肉の量はそれほど多くないが、ちょっと甘酸っぱい、コクのある味で、味的には、新宿中村屋で食べるカレーと、遜色ないくらいだ。
ちょっと大げさだが。
またこれもかなりうまい、わかめスープが付いてくる。
そのほか、僕は食べなかったが、パン食の「洋朝食」もある。
フェイスタオルかやバスタオル、ヒゲ剃り、歯ブラシ、その他アメニティーは、言うまでもなく使い放題。
タオルは脱衣場などに、どっさりと積んである。
サウナは、ふつうの高温のほかに、80度という低めの温度で、横になって利用する形の、「韓国サウナ」もある。
広い露天風呂には、横になってつかれる場所があり、脇には昼寝台もあり。
そして気が利いているのは、全カプセル内と、休憩室の全ソファーには、コンセントが付いている。
カプセルへ行くと、携帯の充電にこまる場合がおおいが、ここはまったく問題ない。
さらに全カプセルには、LANが配線されていて、カプセル内でPC作業も可能。
ケーブルはフロントで貸してくれる。
また休憩室でのイーモバイルの受信も、問題なくできる。
アカスリ、マッサージともあり、どちらにも若い、たぶん日本人のオネエちゃんがいるのだが、営業がとても控えめで、目が合うと、相手がそらす、みたいなところがあり、東北人の奥ゆかしさなのかもしれないが、おかげで今回、僕は誘惑されることはなかった。
フロントの対応も、まったく問題ない。
以上です。
べつにこれ、宣伝したからといって、僕は一文にもならないのですが、仙台へ行く機会があったら、ぜひ泊まってみてください。
サウナ＆カプセル キュア国分町
