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2010-12-04

クリスマス

もう街はすっかりクリスマス。と言っても四条大宮界隈をウロウロするだけの僕などは、クリスマスの飾り付けはスーパーのしょぼいやつを見るくらいなのだが、河原町の方などはかなりのものだろうし、渋谷や新宿だったら、街路樹にも電飾が飾られ、大きなツリーも登場し、どこもかしこもクリスマス一色になっていることだろう。

クリスマスはキリスト教の信者にとっては、大事な意味のある日だろうが、僕はそれが何だかよく知らず、おそらく大多数の日本人も同じだろう。それなのに12月が、これだけ大騒ぎになるというのは、年末の掻き入れ時に向けてタイミングがちょうどよいということで、商売上の理由がほとんどであるということだろう。

日本では昭和の初めには、クリスマスはほぼ定着していたとのことだが、僕も物心付いた頃には、クリスマスにはクリスマスプレゼントをもらい、正月にはお年玉をもらうという、超豪華な年末年始が当たり前だった。クリスマスと正月は一週間ほどしかないのだから、べつにどちらかにすれば良さそうなものだが、そういうことにはならないわけだ。やはりクリスマスというのは、日本が追いつけ追い越せと目標にしてきた、西洋文化の中心にあるものだから、そこでなにか行事をするというのは、かっこいいということだよな。

家庭ではそうやって、子供にプレゼントをやるというのが定番なわけだが、恋人同士はクリスマスイブに食事をするというのが、これまた定番になっているわけだ。僕が以前東京で勤めていた頃、すでに別居中だったから家庭で過ごすなどということはなく、いつもの仲間と焼き鳥屋でワイワイやるのだが、クリスマスイブになると、いつもはこちらの下品な飲み会に来たりはしない女子社員が、一緒についてくるということがあった。あとで考えてみたら彼女は妻子持ちの男と不倫をしていたわけだが、正月ならまだ実家へ帰ることもできるけれど、クリスマスイブとなると、彼氏は奥さんや子供と楽しく過ごしているのに、自分だけ一人きりになるというのが耐えられなかったのだろう。クリスマスというのは、そういう標準から外れる者にとっては、孤独を増す種にもなっている。

今は家族というものがどんどん崩壊し、また不景気で収入のない人も増えているから、クリスマスなど関係ないという人も多いのだろうな。しかし外国に追いつけ追い越せの時代も遠に終わったのだから、こんな習慣なしにしたってかまわないのだ。日本人は忘年会をし、正月を祝う、それで十分だと僕は思うな。