広島にいた頃、お好み焼きもずいぶん食べ歩いたのだが、僕が死ぬほどうまいと思うところが2軒あって、そのうちの一つがここ、「かんらん車」。
大将はみっちゃん総本店で修行した。
みっちゃん総本店では、麺はカリカリには焼かない。
片面をある程度焼くだけだ。
それにはちゃんと理由があって、両面をカリカリに焼いてしまうと、麺がキャベツの水気を吸い込んで、初めはカリッとしているものの、すぐにヘナヘナになってしまうからだ。
実際麺をカリカリに焼くことで有名な人気店は、半分ほど食べた時点で麺がモソモソになってしまって、最後まで食べるのにほんとに苦労する。
ところがここの大将は、麺を両面、カリカリに焼き上げる。
にもかかわらず、最後までおいしく食べられる。
それには大将独自の焼き方の秘密がある。
秘密といっても店に行けば誰でも見られることだから書いてしまうと、卵をほとんど生のまま、麺に張り付けてしまうのだ。
こうすると、生の卵が麺をコーティングすることになって、麺は水気を吸い込まない。
考え方として、固焼きの麺にアンをからめる、長崎の皿うどんに似ている。
大将は長崎出身なのだ。
カキはかなりの大粒。
いやたまらん。
お好み焼き。
僕はビールを飲み終わったら酎ハイ。
いっしょに行った、広島にいたとき仲良くなった女性は、朝から焼酎のお湯割りで飛ばしてた。
キャベツはホクホク、麺はカリカリとろり、いや変わらずうまかった。