だいたい僕は、晩めしを夜の10時から食べ始めて、最低でも12時、場合によっては1時ごろまで食べているから、朝はまだお腹が減っていないのだ。
それに家でいろいろやることが多いから、食べると絶対に眠くなる。
ということで、朝は頭を動かし始めるだけのものを食べ、午前中はやるだけのことをやり、十分お腹がすいた昼過ぎに、やっと昼めしを食べ、ついでにそのあと昼寝もすることにしている。
ここはどうしても、定期的に食べないと気が済まない。
おいしさの理由は、あげればいろいろあるのだが、煎じ詰めるとけっきょくは、店主の人間性ということになるのだと思う。
年はたぶん、僕とだいたい同じくらい。
先代の娘さんと結婚したということのようだ。
いつもまずビールを飲みながら、大将やほかの店員の働く様子を眺めているが、いくら見ても見飽きない。みんな愚直に働いている。
しかしそれを、本当にやり続けることができるためには、作るラーメンの一杯一杯に、新たな発見があるはずなのだ。
それはただ、作業上の手順であるとか、味の加減であるとかいうことに留まらず、また新しいラーメンの開発などというものではなおさらなく、「ラーメン」というものが元々どういうものであるのかを、新たに見つけ直すことにつながっているのだと思う。
この店のラーメンは、そういう人が作っているという味がする。
だから大量生産など不可能で、一つひとつを、農家の人が手作りしている。
それがこんな値段で食べられるというのは、なんともありがたいことだ。