昨日のおっさんひとり飯は・・・。
しめサバ。
しめサバは大好きで、よく作る。
要はただ酢に漬けるだけだから、
魚屋で三枚におろし、塩を振るところまでやってもらえば、
難しいことは何もなく、
しかも下手な店で食べるより、よっぽどおいしいのが出来上がる。
家で食べれば、値段も3分の1以下になるのだから、
もうしめサバを店で食べるのは馬鹿らしくなるほどだ。
おととい魚屋で三枚におろしてもらった塩サバが、冷蔵庫に入っていた。
これを朝のうちに酢に漬け込んでしまうことにした。
しめサバは出来てすぐより、半日~2日ほどおいたほうが、
味がなじんでおいしくなる。
魚屋でサバをおろしてもらうときは、アラもかならず持ち帰るようにしている。
サバのアラをだしにした吸物が、またうまい。
サバはさっと洗って塩を落とし、水気をよく拭ったあと、
ジップロックなどのビニール袋に、5センチ角ほどのだし昆布と一緒に入れる。
小さじ1ほどの少量の砂糖を溶かし込んだ酢をそそぎ、3時間おく。
3時間たったら酢から引き上げ、前から後ろにむかって皮を剥ぐ。
中骨も、目立つものだけ4~5本抜く。
あとはラップに包んで冷蔵庫に入れ、置いておく。
午後からは、いつものカフェで仕事をしたが、
どうも昨日は調子が出ない。
ぼくはエンジンがかかるのは遅くても、
やり始めればわりと熱中するほうなのだが、
昨日はいつまでたっても気が散って仕方がない。
おとといは深酒したわけでもなく、昨日は体調も悪くなかった。
どうしてなのかとあれこれ思いを巡らせてみたところ、
思い当たることがあった。
「スピナーズが足りていないに違いない・・・」
毎週2~3回は行っている、京都四条大宮のバー「スピナーズ」へ、
先週は、水曜日以来、1週間近く行っていない。
七夕ライブが近づき、準備も追い込みに入っているから、
時間がなかったのが理由だが、
おかげでいつも顔を合わせているマスターのキム君や、
常連の人達の顔を1週間ほど見ていない。
そんなことが理由で仕事が捗らないとは、
酒飲みの都合のよい言い訳だとは自分でも思ったが、
思い付いてしまったものは仕方がない。
自分で決めたその日のノルマを何とか6時半に終わらせ、
それから家に帰って1時間ほどギターを弾いて、
8時にスピナーズへ出かけた。
スピナーズのカウンターには、
松下奈緒似の女性と倖田來未似の女性がならんで座り、
一席あけて、小倉優子似の女性が座っていた。
ぼくは倖田來未と小倉優子のあいだに座り、生ビールをたのんだ。
松下奈緒は、何やら怒っているらしい。
「まったく、おっさんは許せないわ・・・」
聞くと、小倉優子が阪急大宮の駅前で、
30代半ばとおぼしき男性に声をかけられ、
断ったにもかかわらず付きまとわれて、
スピナーズへ逃げ込んできたのだそうだ。
20代前半の小倉優子にとって、30代半ばの男性はすでに「おっさん」で、
それで「おっさん」がまとめて悪者にされていた。
「優子ちゃんは今日はお休みで、楽しい時間を過ごして帰ってきたのに、
それをああいうことでぶち壊しにされるのが、私は許せないのよ・・・」
松下奈緒は、ますますヒートアップする。
「でもそれって、声をかけられたということは、
『かわいい』と評価されたということなわけだから、
それを『うれしい』と思う気持ちとかはないんですか?」
キム君が、火に油を注ぐようなことを言う。
「いやそれは、声をかけるのは悪くないけど、
断られたら男らしくすぐにあきらめろ、ってことですよね・・・」
ぼくはそれに対して「いい子」の発言をし、
「そうそう、そうなのよ・・・」
女性陣の同意を得た。
やがて寺島進似の男性を筆頭としたイケメン3人組が入ってきて、
ソファ席に座ったので、小倉優子もそちらへ移っていった。
倖田來未もご主人が来て、カウンターの奥で2人ですわった。
両脇がいなくなったぼくだったが、松下奈緒がぼくの隣に移動してきた。
「私、高野さんと話したいんだ・・・」
生ビールを2杯飲んでいたぼくだったが、そう言われて帰るわけにはいかない。
焼酎の水割りをたのみ、さらに松下奈緒にも1杯おごった。
松下奈緒との話がひとしきり終わったころ、
今度は市毛良枝似の女性が店に入ってきて、やはりぼくの隣りに座った。
ぼくは焼酎をもう1杯お代わりし、市毛良枝とあれこれ話す。
結局スピナーズを出たのは10時半。
すっかり満喫して家に帰った。
家に帰って、さらに晩酌。
ほどよく味がなじんだしめサバが待っている。
しめサバは、おろした大根とショウガ、それにポン酢醤油をかけて食べる。
脂がしっかり乗っていてうまい・・・。
晩酌の支度をしながらうすい焼酎水割りを1杯、
晩酌をしながら冷や酒を1合飲んだ。
晩酌を終え、さらにうすいウイスキーの水割りを飲んでいたら、
強い眠気が襲ってきたから、1時半に布団に入った。
「それで明日からは仕事が捗るの?」
そうだといいけどな・・・。