明日は選挙。
ぼくは当然投票へ行く。
明日の選挙は、いつものような、ただの選挙ではない。
これからの日本を、大きく左右する選択をする選挙だ。
今の政府は、憲法改正を始めとする様々な政策を、
これまでに打ち出してきている。
だからもし今の政府を承認すれば、
それらの政策を、すべて承認したことになる。
選挙に行くのは「権利」だと学校では習ったが、
それは正確ではないとぼくは思う。
日本国民は、日本国の「主権者」だ。
主権者は、会社に例えれば「株主」のようなものであり、
戦前は、日本国の主権者は、天皇だった。
主権者が意思表示をすれば、日本国は変わっていく。
だから主権者が日本国をきちんと監視し、
もし良くない方向に進んでいると思ったら軌道修正することは、
しなくても誰にも怒られないけれど、
もし日本国がどうにかなって欲しいのなら、
絶対にしなければいけない「義務」なのだとぼくは思う。
今、「戦前に戻ろう」ということを考える人が増えていると思う。
日本は今、大きな壁につぶかっている。
経済は停滞し、人々の暮らしもラクにならない。
その理由は、
「日本がこれまで歩んできた高度経済成長路線の、
根本的な考え方に違うところがある・・・」
それはぼくもそう思う。
日本は戦後、ただひたすらお金を稼ぐことに、
一丸となって邁進してきたところがあったと思う。
「お金があれば、幸せになれる」と考えてきた。
でもそれは、バブルの崩壊をもって、うまくいかなくなった。
時代は変わり、インターネットが登場することにより、
国家が一丸となることよりも、「個人の創造性」こそが、
お金を稼ぐために必要になったからだとぼくは思う。
実際今の日本の大企業は、軒並み収益を減らしている。
ソニーにしても、パナソニックにしても、過日の栄光はない。
ソニーだって、パナソニックだって、創業の時には、
大きな創造性を持った社長が会社を引っ張っていた。
でも大企業となってしまった今、冒険をすることを恐れ、
自分の会社の利益を守ろうとすることだけを考えるようになったことにより、
時代に対応できなくなってしまったのだと思う。
それを今、「戦後」が間違っているのなら、
「戦前に戻ろう」と考えている人達がいる。
憲法を改正し、日本は再び軍事力を持ち、
他国を威圧するべきだと考えている。
たしかに他の超大国、アメリカにしても中国にしても、
大きな軍事力をもっている。
「ならば日本だって、軍事力を持たなければいけないではないか・・・」
そう思う気持ちも分からなくはない。
でも本当は、問題はそんなところにない、
なぜ日本が今、うまく行かなくなっているかといえば、
日本の今の問題点を、きちんと直視しなくなっているからだ。
高度経済成長路線の、何が問題だったのか、
きちんと反省し、もし問題があるのなら、それを改善する、
そこからしか、先に進むことはできないと思う。
そういう反省や改善なしに、「ただ昔に戻ろう」ということは、
日本を壊滅的な状況に叩き落とすことになると、ぼくは思う。
ぼくもべつに、今の日本の状況を、事細かく知っているわけではない。
自民党の憲法改正案も、詳しくは読んだことがない。
でも、ただ「何かおかしい」と思う。
「あの人達の言っていることは、信用できない」と思う。
でももしそうなのであれば、「NO」という義務が、国民にはある。
自分たちが具体的にどうしようとしているのか、
ハッキリわかるように説明する責任は、政府にあるのであり、
それが分からないことに対する責任は、国民にはない。
だからぼくは、明日は投票へ行く。
日本をどうにかしてくれると思える政党や候補者は、
どこにも見つからないけれど、
日本がこれ以上、おかしな道へ進まないよう、
「NO」という意思表示をするためだけにいく。
それはまずは、自分のためだ。
自分がすべき責任を果たさずに、
あとから「こんな日本なんておかしい」と言ったりすることだけは、
ぼくはしたくない。
それと同時に、自分より若い世代に対する責任を果たすために行く。
「どうしてお父さんは、あの時あんなことに反対してくれなかったの」
などと言われないために・・・。