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2013-07-31

非常にうまくて手軽にできる、イカワタ味噌炒め

昨日のおっさんひとり飯は・・・。

昨日のおっさんひとり飯 イカワタ味噌炒め

イカワタ味噌炒め。
それにオクラととろろ昆布の吸物、ナス塩もみおかかカラシ酢醤油、
焼き万願寺おかかポン酢醤油と、冷奴一味ポン酢醤油。



昨日は真っ茶っ茶の新鮮なスルメイカが魚屋に並んでいて、

スルメイカ 新鮮

見た瞬間、即座にこれを買うことに決めた。
スルメイカは、茶色の色が濃いのが新鮮なのだが、昨日のは、
いつにも増して色が濃く、若大将も
「今日のは新鮮ですよ」
と太鼓判を押していた。

新鮮なスルメイカが手に入ったら、やはりワタを使うに限る。
イカワタを使った料理として、ぼくが知るかぎり最も手軽でうまいのは、
檀一雄の「イカのスペイン風」なのだけれど、
これはニンニクを使い、かなり強烈な味がするから、
和食の献立に混ぜてしまうと、他の料理を蹴散らしてしまうことになる。

そこでこのイカのスペイン風を、やはりイカワタと相性がいい味噌を使い、
「イカの和風」にすることは、これまで何度も挑戦してきたのだけれど、
そのたびに、決して不味くはないのだけれど、
「やはりスペイン風の方がうまいな」
ということになっていた。

ところが今回、イカの和風が、イカのスペイン風にも匹敵すると思える程
おいしくできた。
コツはゴマ油を使うことと青ねぎをたっぷりと入れることで、
素麺の上にのせると更にうまい。



この料理では、イカはさばく必要がないので非常に手軽にできるのだ。

イカワタ味噌炒めの作り方(1)

イカは胴の内側にタテに入っている軟骨と、足の根元にあるクチバシ一対
だけを取り除き、あとはハシから足はぶつ切り、胴は輪切りにする。


器に入れ、一つまみの塩と酒少々を揉み込んで下味をつける。

イカワタ味噌炒めの作り方(2)

下味をつけて15分でも30分でも冷蔵庫においておけば、味がしみて
おいしくなるが、べつにすぐ使ってもかまわない。


フライパンにゴマ油と輪切り唐辛子を入れて強火にかけ、
下味をつけたイカ、ざく切りにした青ねぎ3~4本を入れる。

イカワタ味噌炒めの作り方(3)

30秒ほど炒めてイカがピンク色になってきたら、
味噌と酒、みりん、砂糖を大さじ1、おろしショウガ小さじ1の合わせ調味料を入れ、
さらに少し炒めて調味料が絡みついたら火を止める。
味噌は、ぼくは赤だし味噌(豆味噌)を使うけれど、
普通の味噌でも問題はないと思う。


固めにゆでて水で洗い、熱湯で温めた素麺の上にのせる。

イカワタ味噌炒め

生臭みなどは全くなく、青ねぎがまたいいアシストになっている。


オクラととろろ昆布の吸物も、簡単なのに美味かった。

オクラととろろ昆布の吸物

かつお節ととろろ昆布、うすく小口に切ったオクラをお椀に入れ、
熱湯を注いでうすくち醤油と塩で味つけする。

オクラととろろ昆布のネバネバ具合がいい。



昨日は晩酌前に、四条大宮のいつものバー「スピナーズ」へ行ったら、
竹野内豊似の男性と隣り合わせ、料理の話になった。

竹野内豊似の男性は、
「料理の手間と、さらに皿洗いの手間がかかるのが面倒で、
自炊をしていないんですよね」
と言う。

皿洗いに関しては簡単な話で、
「洗剤を使わなければいいんですよ」
と教えてあげた。
水洗い用のスポンジを使えば、今は給湯器でお湯も出るのだし、
油汚れもかなりのところまで落ちる。

ひどい油汚れは紙で拭き取ってから洗うようにすればいいし、
洗い終わった時点で多少ベトベトしていても、
最後にふきんで拭けば、ベトベトはほぼ完全になくなる。

洗剤を使うと、洗剤で洗って、さらにその倍くらいの時間をかけて、
すすがないといけない事になる。
お湯だけで洗えば時間は3分の1に短縮できるから、
皿洗いも大した手間ではなくなる。

「なるほど、そうなんですね・・・」
イケメンで、性格もよい竹野内豊は、感心したように相槌を打つ。



「でも自炊をするようになると、やはり最低でも1時間くらいは、
余分に時間が取られるようになるんですが、
『料理』はそれだけの時間をかけても、価値のあることだと思うんです・・・」
ぼくはさらに、料理についてのウンチクを、竹野内豊に披露した。

自炊をすれば、まずは健康にいい。
結局のところ体が欲しがるものを食べる事が、
必要な栄養を取ることにつながるのだとぼくは思う。
体が欲しがるものを食べるためには、
自分で料理を作るのが一番まちがいがない。

次に料理は、面白い。
食事は生きている限り全ての人間が、毎日しなければいけないものだから、
膨大な数の人が、毎日料理を作ることに携わっている。
さらに人間は、それを人類誕生以来100万年、
もちろん程度の差はあるにしても、営々と続けてきている。

だから料理を「文化」として捉えた場合、
料理は、一部の専門家や趣味人だけが行うものとなっている
音楽や絵画等の芸術や、その他あらゆる文化と比べて裾野が広く、
その分、その内容も、幅が広くて奥が深いとぼくは思う。

料理をするという事は、そのような文化に触れ、
そこから何かを学ぶ事なのだから、
それが単なる労働などである訳がない。
大きな喜びともなり得る事なのだ・・・。

「なるほど、言われてみれば、たしかにそうですね・・・」
竹野内豊は、感心したように肯いている。



さらにぼくは、竹野内豊は結婚が決まっているというから、
一つ、付け足した。
「それに男が料理が出来るということは、家庭での自身の独立を
保つことにもつながるんですよ・・・」

自分で料理が出来なければ、誰かに料理をしてもらわなければならない。
それが奥さんであるとするならば、家で奥さんがいなければ、
自分は何も食べられないという事になるのなら、
それは奥さんに、隷属しているという事だ。

だから結婚したら、男性は料理ができて初めて、
奥さんと対等な、お互いに独立した関係になれる。
奥さんに自分の作った料理を食べさせれば、
場合によっては尊敬などされる事もあるかもしれない・・・。

「なるほど、そういう物なのかも知れないですね・・・」
竹野内豊は苦笑している・・・。



「また若い人に説教して、迷惑かけたんじゃないだろうね。」

チェブラーシカのチェブ夫

昨日は大丈夫だったと思うけどな・・・。