ぼくが痩せたことを、「悪い病気ではないか」と
心配してくれる人がけっこういる。
たしかに病気ではないとは言い切れないわけで、
もしかしたら体内で良からぬことが進行しているのかもしれないが、
痩せた原因は、べつに病気とは関係ないと思っている。
去年の夏に13キロ痩せたのだが、
これは意図したことであり、
「ダイエット」というわけではないのだが、
「お腹が減っていないときには食べない」
ようにしたからだ。
それまでは、
「朝は食べなければいけない」
とか、
「今食べておかないと後でお腹が空くかもしれない」
とか、
食べるかどうかの判断を、
「お腹が空いたか空かないか」
とはあまり関係なく下していた。
でもそれも馬鹿らしいなと思い、
お腹が空いたときだけ、空いた分だけ食べるようにしたら、
一気に10キロ以上痩せたというわけだから、
それまでは「食べ過ぎ」だったことになる。
というわけで昨日も、おとといラーメンの大盛を食べたから、
お昼を過ぎてもそれほどお腹が空いていなかった。
それで昼ビールの友は、すこし軽めにすることにし、
鶏じゃが。
麺もご飯も食べる気がしなかったから、
炭水化物はジャガイモで取るようにしたというわけ。
これは要は、肉じゃがと同じ話で、
冷蔵庫に鶏肉が入っていたから、肉じゃがを鶏肉で作ったというわけだけれど、
肉じゃがを初めとした煮込み料理は、
「手間がかかる」というイメージを持っている人もいるかもしれないが、
実はまったく逆で、
手間はほとんどかからず手軽にできる、
お助け料理の一つだと思う。
まずはだしを取る。
だし昆布と煮干を、2カップの水で5分くらい煮る。
そうすると、1カップ半くらいのだしが取れることになる。
このだしに、酒とみりん、しょうゆを大さじ2、砂糖大さじ1で味をつける。
ひと口大に切った、鶏肉とジャガイモ、にんじんを、
鍋のフタをして、強めの中火で10分煮る。
もし万が一途中で煮汁がなくなるようなことがあれば、
水を足す。
10分煮たら、くし切りにした玉ねぎを加え、
上下を返しながら煮詰めていく。
玉ねぎがしんなりとし、煮汁がほぼなくなれば出来あがり。
青ねぎと、七味をふる。
煮汁を煮詰めると、ジャガイモがほっくりとしてうまい。
晩酌は、昨日も野菜を中心とした肴。
メインはナスじゃこ炒めの冷奴。
フライパンにやや多めのゴマ油とひとつまみのちりめんじゃこ、
輪切り唐辛子少々を入れ、中火にかける。
5ミリ幅くらいに切ったナス1本を、しんなりするまでじっくり炒める。
ナスがしんなりしたら、酒としょうゆ大さじ1で味をつけ、
豆腐の上に乗せる。
これは、冷奴の最もおいしい食べ方の一つではないかと思う。
豆腐とナスの、味のコントラストが抜群である上に、
豆腐もナスもやわらかいから、食べ応えが何ともいい。
あとは、オクラととろろ昆布の吸物。
お椀に削りぶしととろろ昆布、オクラを入れ、
お湯を注いでうすくち醤油と塩少々で味付けする。
ネバネバ感がたまらない。
梅キャベツ。
塩ゆでしたキャベツを、
削りぶしと一緒にたたいた梅肉を、うすくち醤油とみりん少々で溶きのばした
タレで和える。
それに農家のおばさんから買った、
大根のひね漬け。
晩酌を終え、四条大宮のバー「Kaju」へ行った。
Kajuは昨日が10周年だったから、お祝いを持っていった。
そのあとは「スピナーズ」へ。
常連のお客さんと仕事の打ち合わせがあったのだが、
前の日も遅かったから、昨日は打ち合わせが終わったら、
サッと帰ろうと思っていた。
ところが打ち合わせが終わったら、マスターのキム君が、
「ライブもやったんですから、ここでギターを弾いてくださいよ」
とけしかける。
店に置いてあるフォークギターを弾き始めたが、
どうもそれだと調子が出ない。
そこで家へ自分のエレキギターを取りに帰ったのだが、
そうしたら、セッションが始まった。
キム君も、太鼓を持ち出し大盛り上がり。
こうなってしまうと、ぼくが帰れないのは知れたこと。
セッションが終わっても、気分が良くなり
ウイスキーをがぶ飲みする。
結局帰ったのは、3時半。
今もバリバリで酒が残っている。
「食べ過ぎないようにはできても、飲み過ぎないようにはできないんだね。」
自分でも何とかしたいよ。