昨日は外飲みだったっす。
土曜も日曜も、そして昨日も、このところ滞りがちだった仕事を頑張ったぼくは、昨日は夜の8時に仕事を終え、「スピナーズ」へ向かった。
昼に商店街で買い出しをし、晩酌の肴は決まっていたのだけれど、ここ2~3日、一人であれこれやってばかりいたから、誰かと話をしたい気がした。
スピナーズへ行ったら、九十九一似の男性と、松下奈緒似の女性が、並んでカウンターに座っていた。
ぼくは、この2人とは、仲がいい。
2人の隣にすわり、生ビールをたのんだぼくは、
「今日は一杯では帰れないな・・・」
すこし長くなるのを覚悟した。
九十九一は、気配りの人だ。
ぼくがどちらかといえば気難しく、気が乗らないとしゃべらないのと対照的に、周りの人に話題を提供し、話を盛り上げる。
昨日は、「おっさん臭」の話を持ちだした。
「おっさん臭い人って、時々いるでしょう、ぼくくらいの年になると、あれは気を付けないといけないですよね。」
松下奈緒も、話に乗ってくる。
「私の分析によれば、あれは一人暮らしで、ラーメンとかばかり食べている人が、臭うんじゃないかと思うんですよ。」
ぼくも九十九一も、一人暮らしでラーメン好きだ。
「それじゃ松下さん、ぼくと高野さんの臭いを嗅いで、どちらがおっさん臭いか、判定してくださいよ。」
九十九一が提案する。
松下奈緒は、九十九一の、そしてぼくの、腕に顔を寄せ、臭いを嗅いだ。
「九十九さんのほうが、いい匂いがする・・・」
九十九一は勝ち誇ったような顔をして、
「そうですか、ぼくは臭いにはかなり気を使っていますからね・・・」
ひとしきりおっさん臭の話で盛り上がると、松下奈緒は帰っていった。
あとに残った九十九一とぼくは、さらにギターの話をする・・・。
「三条会の七夕祭りまで、もう1ヶ月ですね。ギターの練習はしてますか?」
そこでぼくは、練習中の「Tears in Heaven」を、店においてあるギターを借りて、披露する。
「はいはい、なかなかうまいじゃないですか・・・」
それから九十九一も、ギターを弾き、歌いはじめる。
声量のある九十九一の熱唱に、後ろでソファ席に座っていたお客さんまで盛り上がる・・・。
即席ライブが終了し、時計を見ると、10時過ぎ。
そろそろ帰って晩酌の支度をしないといけない・・・。
九十九一に挨拶し、お勘定をしていると、ソファ席から声がかかった。
「高野さん、もうお帰りですか?」
見るとソファ席には、ぼくと同年代の女性が2人、座っている。
一人は五月みどり似、もう一人は兼高かおる似。
カウンターにいたときは気付かなかったが、五月みどり似の女性とは、以前に2~3度、スピナーズで言葉を交わしたことがある。
「もしよろしかったら一緒に飲みません?」
女性にそうやって誘われて、無下に断るのも男が廃る・・・。
帰り支度をしていたぼくは、帰り支度を解き、ソファにすわってビールをたのんだ。
こうなってしまうと、ぼくはもう止まらない・・・。
五月みどりが「何か食べたい」というので、ぼくもお腹が減っていたし、「酒房京子」へ。
焼酎水割りを飲み、カラオケを歌いまくった。
京子さんの料理は、昨日もうまかった。
たこポン。
アジの煮付け。
丁字麩とキュウリの酢味噌。
ひとしきり飲み、食い、歌い、1時頃になって、女性2人は帰っていった。
しかしぼくは居残り、あとから来たお客さんとさらにカラオケ。
帰ったのは、けっきょく午前2時過ぎだった・・・。
「ここ2~3日は段取り通りに過ごせていたのにね。」
ほんとにお調子者だよな。