昨日のおっさんひとり飯は・・・。
鯛めし。
鯛はハマグリとならび、日本では古来から食べられてきたそうだ。
古跡から鯛の骨が出土することも少なくないのだとか。
現代でも、祝いの席には欠かせないし、高級魚は多しと言えども、
日本では鯛は、別格の扱いをされている。
しかし鯛が高級魚として扱われているのは日本だけの話で、
他の国ではさほど珍重されないようだ。
真鯛は北西太平洋に生息するそうで、韓国や台湾でも漁獲があるが、
特に高級魚の扱いはされていないとのこと。
オーストラリアでは大型の真鯛が簡単に釣れるそうだが、
淡白な味がオーストラリア人の好みに合わず、
食用にされることすら少ないそうだ。
たしかに鯛は、日本人好みの味なのだろう。
淡白でありながら、濃厚なうま味がある。
クセがないから味付けをほとんど必要とせず、
塩とほんの少しの醤油だけで、十分うまい。
ぼくは鯛を食べるたびに、
「日本人に生まれてよかった」と、つくづく思う。
鯛は刺身や昆布じめ、塩焼きなどが、
うまいのは言うまでもないことだけれど、
家で味わうなら、やはりアラ。
200~300円で手軽に手に入り、これを煮炊きに使うと、
この上なく上品なだしが出る。
吸物はもちろん、酒蒸し、煮付け、どれもうまいが、
最近ぼくがハマっているのは、鯛めし。
鯛のだしを吸わせる相手として、
ご飯ほどふさわしいものはないだろうと思える。
鯛アラはよく洗い、ウロコや血の塊をていねいに落とす。
うすく塩を振り、サッと焼く。
土鍋にだし昆布、研いでザルに上げておいた米1カップ、
水1カップ、酒とうすくち醤油それぞれ大さじ1を入れ、
フタをして、中火にかける。
煮立って湯気が出てきたら、弱火に落として10分炊き、
さらに火を落として5分炊いて、火を止めたら5分蒸らす。
細切りにした大葉を添える。
茶碗にアラごとよそい、アラをしゃぶりながらご飯を食べる。
昨日はあとは、梅干しととろろ昆布の吸物。
お椀に削りぶしとろろ昆布、梅干しを入れ、
お湯を注いでうすくち醤油で味をつける。
冷奴。
削りぶしとおろしショウガ、青ねぎに醤油。
ナスの塩もみ。
3ミリ厚さくらいに切ったナスを塩ひとつまみで揉んで5分ほどおき、
よく絞ったらおろしショウガ少々とみょうがを混ぜ、
ゴマとポン酢醤油をかける。
バーのカウンターやツイッターでは、
30代の人と話すことが多い。
30代は、人生の中で、
一番悩み多き年頃なのだろう。
20代のうちは、無我夢中で毎日を過ごす。
ところが30を過ぎると、
「自分の人生はこれでいいのか」と考えはじめる。
だから30代の人は、バーやツイッターや色々な場面で、
人に自分の悩みを打ち明け、
聞いてもらいたいと思うのではないかと思う。
ぼくは、話を聞く以上のことが、
何かできると思っているわけではない。
ただ30代の人たちの悩みに対して、
無関係ではいられない。
30代の人たちの悩みは、
「社会との関わり」のなかで生まれるものも多い。
社会は、ぼくたちの世代が作ってきた部分もある。
ぼくたちが好き放題にしてきたツケを、
30代の人が払っているところもある。
「おっさんにも責任があるということだよね。」
責任は、果たさないといけないよな。