昨日のおっさんひとり飯は・・・。
半熟卵のパエリア。
おとといの朝まで飲んだ酒は、昨日にはもうすっかり抜けてはいたが、
まだ疲れが残っていた。
カフェで何とか仕事を終えると、もうヘトヘトになっていた。
「若いころは、寝れば疲れは取れたのに・・・」
だいたい今は、疲れるほど眠りが浅くなってしまうから、
それも仕方がないと思う。
金曜日はだいたい毎週、
京都四条大宮のバー「スピナーズ」へ行っていた。
「でも今日は、やめておいたほうがいいな・・・」
マスターのキム君が心配するといけないと思い、
「今日は家で飲むから」とメールを送る。
「承知しました~」と返事が来た。
家へ帰ってすこしギターの練習をし、パソコンを開いてみたら、
フェイスブックにメッセージが入っていた。
以前スピナーズで知り合いになった、29歳の女性からだ。
「今日はスピナーズ来ないんですか?
私は友達と今飲んでいます~」
ぼくは10分ほど、どうしようかと考えた。
「今から行って、一杯だけ飲んで帰る手もある・・・」
しかしさらに考えてみると、
ぼくはスピナーズへ「一杯だけ」と思って行って、
一杯で帰れたためしが一度もない。
泣く泣く、お断りの返事を送った。
晩酌は、「京永野無添加赤わいん」が半分残っていたから、
それに合う肴を考えないといけなかった。
あれこれ考えているうちに、思い浮かんだことがあった。
「パエリアを、卵で閉じたらどうだろう・・・」
パエリアの材料は、ニンニクと玉ねぎ、鶏肉、トマト・・・。
チキンライスの材料と同じである。
「これを卵で閉じれば、オムライスと同じことになるのだから、
きっとうまいに違いない・・・」
2日つづけてパエリアというのも、芸がないとは思ったが、
思い付いてしまったものは、仕方がない・・・。
早速やって見ることにした。
途中までは、普通にパエリアを作る。
オリーブオイルでみじん切りにしたニンニクと玉ねぎ、セロリ、
さらにぶつ切りの鶏肉、1カップの米を、それぞれじっくり炒める。
1カップ強の熱湯と大さじ1の酒、小さじ1の塩を入れ、
くし切りにしたトマトとピーマン、シメジをのせる。
フタをして、弱火で15分、さらに火を弱めて10分炊く。
ここで溶き卵を流しいれる。
弱い火加減を保ったまま、卵が半熟加減になるまで加熱する。
なかなかうまい・・・。
半熟卵がご飯に絡むところが、
また何ともいいと思った。
パエリアは、3分の1くらい残して、翌日の昼飯にしようと思ったが、
けっきょく昨日も、おととい同様、残さずすべて平らげた。
「腹ごなしにちょっとだけギターを弾いてから寝よう・・・」
そう思ってギターを触りだしたら、止まらない。
寝たのは2時を過ぎてしまった。
「スピナーズへ行っても良かったんじゃないの?」
そんな、後悔させるようなことを言うなよ。