フレッシュトマトの入った和風チキンカレー。
昨日は、キャベツを使い切ってしまいたかった。
キャベツの食べ方でまず思い付くものはといえば、
やはり千切りだ。
ハンバーグに千切りキャベツを添え、ウスターソースをかけるのは、
子供のころの家の食事の、代表的なメニューだった。
冷蔵庫には鶏もも肉も入っていたから、それを焼き、
千切りキャベツに肉汁ごとのせるのも悪くない。
キャベツの下に、さらにご飯を敷き、
どんぶり飯にするのもいい。
しかしもう少し考えていたら、
千切りキャベツにはカレーが合うことを思い出した。
シャキシャキとした千切りキャベツは、
ドロドロとしたカレーライスの、格好のアクセントになってくれる。
そこで鶏もも肉でカレーを作り、
これをご飯とキャベツの上にかけることにした。
カレーには、フレッシュトマトを、
煮溶かさず、形を残して入れることにする。
あと問題は、カレーをどうやって作るかだ。
カレーは市販のルゥを使えば、簡単においしくできる。
ただ、それだとつまらない。
ひとり暮らし料理は「おもしろい」ことが大事だと、ぼくは思う。
そこで、カレー粉を使うことにする。
ただルゥまで作ってしまうと、
玉ねぎを茶色になるまで炒めるのに時間がかかる。
和風だしと醤油やみりんをベースに使い、
カレーうどんのような味付けにすることにした。
カップ3の水で、だし昆布と煮干しを10分ほど煮て、だしをとる。
このだしに、酒とみりん、醤油、カレー粉を大さじ2、砂糖小さじ1と塩少々、
それにウスターソース小さじ1で味付けする。
味付けしたら、ひと口大に切った鶏もも肉200グラムを、5分ほど煮る。
つづいて細く切った油揚げ1/2枚を加え、さらに5分くらい煮る。
8等分にくし切りにした玉ねぎ中1個を入れ、ひと煮立ちしたら、
やはり8等分にくし切りにしたトマトを入れる。
すかさず味見して塩加減し、
片栗粉大さじ2に水大さじ4の水溶き片栗粉を加えてトロミをつける。
皿にご飯をよそい、千切りキャベツを上にのせて、カレーをかけ、
青ねぎを散らして一味唐辛子をふる。
自分で一から味付けしたカレーは、また一段とうまい。
昨日は梅干しとらっきょうを漬けた。
梅干しは、安いのは添加物が多くて味がよくない。
らっきょうも、売っているのは甘すぎて気に入らないから、
前から自分で漬けてみたいと思っていた。
梅は、1キロで900円ほどだった。
黄色く熟し、甘い香りがする。
梅干しを漬けるというと、かなり敷居が高そうな気がする。
作り方を見聞きすると、容器を消毒したり、天日に干したり、
かなりの手間がかかりそうだ。
しかし檀一雄は、『檀流クッキング』の中で書いている。
私は、忙しいご婦人方にも、断乎として、梅干しを漬けなさいと申し上げる。断乎として、ラッキョウを漬けなさいと申し上げる。
時期は今だ。
梅干しだの、ラッキョウだの、何だか、むずかしい、七めんどうくさい、神々しい、神がかりでもなくっちゃとてもできっこない、というようなことを勿体ぶって申し述べる先生方のいうことを、一切聞くな。檀の言うことを聞け。
梅干しだって、ラッキョウだって、塩に漬ければそれで出来上がる。嘘じゃない。
塩に漬けるだけだ。勿体ぶったことは何もない。ガラス瓶を一つきばって、そこの中に漬け込み、床の間に置き、その出来上がりの梅干しだの、ラッキョウだのを、毎日チラチラと生花のつもりで眺めてみるのは、愉快なことではないか。 その梅干しだの、ラッキョウだのの味の変化を、時折舐めてみたり、味わってみたりするのは、尚更愉快なことではないか・・・。
檀一雄によれば、梅干の漬け方があれこれと難しくなるのは、
塩分の濃度を下げるからだそうだ。
塩分の濃度を下げ、かつ腐ったり、カビが生えたりしないようにするために、
消毒などの手間がかかることになる。
塩分の濃度を十分上げれば、多少しょっぱくなっても、簡単にできる。
それが「私の方法だ」と、檀一雄は言う。
ぼくは今回、梅干しを、どうやって漬けようかずいぶん迷ったが、
結局、檀一雄の方法でやることに決めた。
檀一雄によれば、4キロの梅に対し、塩は1.2キロ。
1キロに対して300グラムだから、
塩分濃度は30%ということになる。
粗塩の水に対する比重は0.9だそうだから、
300グラムの粗塩は、1カップ半強ということだ。
梅は洗って、つまようじなどでヘタをとる。
これをまず塩、それから梅、という具合に交互にガラス瓶に入れ、
最後に重石をのせる。
重石は、近所で小石を拾ってきた。
よく洗って乾かした小石を、梅と同じくらいの重さになるよう、
二重にしたジップロックに入れた。
これからしばらく漬け、梅酢が上まで上がってきたら、
赤じそを加えるつもりにしている。
らっきょうは、皮をむき、塩漬けにしたものを買ってきた。
これを水洗いし、ザルにあげて水をきる。
甘酢は、砂糖と塩の分量を、袋に書いてあったものの半分にした。
火にかけて煮立たせ、冷めるまでおいておく。
ガラス瓶に、らっきょうと甘酢、輪切り唐辛子を入れる。
20日くらいで食べられるようになるそうだ。
「どんな味になるのか楽しみだね。」
梅酢も色々使いたいな。