というわけで前から気になっていたこの店に、先日コーヒーだけ飲みに来たのだが、昨日はカレーを食べに行ってみた。ここは食べ物もけっこう充実しているみたいで、カレーもトッピングにより何種類もあるし、どんぶり物とか、あとランチもあるらしい。店内は、いかにも昔の、ハイカラな喫茶店。できてもう43年になるのだそうだ。壁や柱は黒が基調で、テーブルや椅子は木目。ちょっと西部劇にでもでてきそうな、昔風の洒落た感じにしつらえられている。
このカレーは、ひとことで言うと、お母ちゃんの味だな。みじん切りにしてよく炒めた玉ねぎが、これでもかというくらい、大量に入っていて、これが味を決めている。玉ねぎは淡路産なのだそうだ。こだわっているんだな。けっこう強めの酸味があって、これは玉ねぎだけじゃなく、たぶん何か、果物が入っている。それに加えて、チーズの風味がコクを増している。
辛さは、この手のカレーとしては、けっこう辛めか。口の中がちょっと熱くなるくらい。トロっとはしているが、余分なコクや脂っこさなどはなく、食べ終わって腹にもたれることもない。お母ちゃんの味と書いたが、それはただ家で食べるカレーのような、どこにでもある味という意味ではなく、ハイカラ趣味のお母ちゃんが、きちんと手をかけ、愛情を込めた、やさしい味のカレー、という意味だ。
福神漬といっしょに、ウスターソースが出てくる。今日は初めてだったし、カレーの味が分からなくなると思って、ソースは使わなかったのだが、しかしこのカツカレー、カツがソースをかけられることを前提に、うす味になっていて、カレーだけだとちょっとイマイチだった。最後の一切れにソースをかけてみたら、ウスターソースのピリリとした味が、またこのカレーによく合う。次からはちゃんとソースを使うことにしよう。
喫茶チロル (喫茶店 / 二条城前駅、二条駅、大宮駅)
昼総合点★★★★☆ 4.0