僕はキーマカレーというものを、他の店であまり食べたことがないので、比べ様がないというところもあるのだが、要はドライカレーみたいなものなのだな。ドライカレーのインド式の呼び名が、キーマカレーということなのか。
このキーマカレー、チキンカレーを食べた時の印象と、基本はいっしょなのだが、いわゆる「カレー粉」っぽさが皆無なのだな。
カレー粉というものは、誰がどうやって決めたものだか知らないが、もともとインドには、何十種類というスパイスがあり、それを様々に配合することにより、色々な違った味を作っていたところに、代表的な調合の仕方なのだろうか、ひとつの決まった配合を決め、それを大々的に売り出すということがされたわけだ。だから日本で食べる、ほとんどのカレーは、「いわゆるカレー」という、ほぼ同じような味がするということになっている。
ここの店のいいところは、その「いわゆるカレー」の味が、全くしないところなのだな。このキーマカレーにしても、いわゆるドライカレーの、誰でもが思い付くだろう、味や風味は、まったくしない。これはたぶん、そのような味をさせることを、注意深く避けているんだな。もっとシンプルな風味で、辛さも唐辛子系の、ストレートなタイプ。僕はこういうセンスは、とても好きで、これからほかの店のカレーが食べられなくなるのじゃないかと、ちょっと心配になるくらいだ。
いずれにせよ、日本人でありながら、スパイスをここまで研究し、実際に調合している店は、それほど多くないのじゃないかと思う。そういう意味でも貴重なところだ。
ちなみにここの奥さん、今日はまじまじと眺めてみたのだが、相本久美子にもちょっと似た、かなりの美形。
SPICE CHAMBER (カレー / 四条駅(京都市営)、烏丸駅、五条駅(京都市営))
昼総合点★★★★★ 5.0