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2012-03-28

思った通りに作ってみるのが料理の醍醐味。
「照り焼きチキン」




自炊はやはり、自分の作りたいものを作るのに限ります。

よく料理の本には、栄養のことをやかましく書いてあったりすることがあるわけですよね。

一人暮らしで外食ばかりしていると、栄養が偏りがちだから、あれを食べなきゃいけない、これを食べなきゃいけないと、ごていねいに忠告してくれる。

でも一人暮らしは、そんなこと百も承知で、外食しているわけでしょう。

外食が身体に悪いなど、今さらわかった事ではない。

身体にはよくないし、経済的な出費もかさむけれど、止むに止まれぬ理由があって外食している。

それを栄養だ、節約だと言われたって、悲しくなるだけなんですよね。



やはり自炊は、楽しくなくちゃいけない。

自分が、「作りたい・・・」と思ったものを作り、「食べたい・・・」と思ったものを食べる。

これが自炊の醍醐味というものでしょう。

べつに作ったものが、他人から見ればどんなにヘボくたって、栄養が偏っていたって、材料にお金がかかり過ぎていたって、かまわない。

とりあえず、「自炊をしている」というだけでオーライ、十分褒められるに値することでしょう。



自炊で何を作ろうか考えるとき、料理の本を見るのもいいけれど、それだとどうも、ピンと来ないことが多いんですよね。

料理の本には、良かれと思って、あれこれレシピが書かれているのだけれど、それがどうも、詳しすぎる。

細かいことがあれこれ書かれているものだから、「そんな面倒なことなら、やらなくていい」と思いたくなってしまう。

だから自炊を始めようと思ったら、料理の本は、あまり見ないほうがいいと思うんです。



それよりは、自分がこれまで食べて、おいしかったものを思い出すのがいいですよね。

お酒が好きな人だったら、居酒屋とかへはよく行くでしょう。

居酒屋の料理は、わりかし簡単に作れるし、酒のツマミにはなるし、自炊の手始めには、まさにうってつけです。



自分が食べたことがあるものなら、作り方もなんとなく、想像できたりするでしょう。

それを思った通りに、そのままやってみる。

料理の本は、絶対に見ないのがポイントです。

料理の本にはかならず、自分が思ったのと違うことが書いてあるから、やる気がなくなってしまいます。

料理の作り方に、「正しい」も「まちがっている」もないのだから、自分が「こうだろう」と頭に思い描いた、その通りにやってみる。

それで作ったものを食べてみれば、自分が思った通りの味になっていることもあるだろうし、そうでないこともあるでしょう。

もし思った通りの味になっていなかったら、その理由を考えて、次回にまた、新しいやり方でやってみる。

それこそが、「料理が上手くなっていくこと」の意味であり、料理の最も楽しいところであると思うんですよね。

この楽しさを、一度知ってしまったら、もう料理がやめられなくなることは、間違いありません。



野菜スティックとか、いいですよね。

冷やしトマト、冷奴、ほうれん草のおひたし、焼き魚。

サラダやら、山芋千切りやら、なめこおろしやら。

思い浮かぶものは、色々あるでしょう。

それを片っ端から作ってみる。

それをツマミに、自分の好きな酒を飲めば、まさに王国、これほどの幸せはないといってもいいのじゃないでしょうか。






居酒屋メニューの王道といえば、やはり焼き鳥。

香ばしく焼いた鶏のおいしさは、毎日食べても飽きないほどでしょう。

焼き鳥は、おなじ味がするものを、家でわりと簡単に、作ることができます。

要は鶏肉を、ただ「焼けばいい」というだけですからね。



鶏肉は、肉の中でいちばん安いので、経済的にもうれしいところです。

もも肉が一番おいしいですが、これは国産でも、100グラム100円くらいなものでしょう。

ブラジル産なら、70円くらいで売っている。

70円なら、たっぷり300グラム食べたとしても、200円そこそこです。



焼き鳥には「塩」と「タレ」があるわけですが、塩だったら、両面に塩をすり込む。

タレだったら、何もせずにそのままで、フライパンに、皮を下にしてのせて、火をつける。

火加減は、弱火でじっくりやると、皮がパリッとして中はモチモチ、最高においしく出来ますが、30分くらい時間がかかります。

時間をかけるのが面倒だったり、またタレでやるなら皮がパリッとしている必要はありませんから、すこし火を強くして、弱めの中火くらい、それでフタをして焼けば、早く仕上がります。



焼きながら、ときどき肉を持ち上げて焼き加減を見て、皮にこんがりと焦げ目がついたらひっくり返す。

それで反対側にも、こんがりと焦げ目がついたら焼き上がりですが、フタをして弱めの中火で焼いた場合には、時間にして、皮目10分、裏側7~8分という感じでしょうか。



肉でも魚でも、焼き物の場合、意外にこの焼き加減がむずかしいのは確かです。

焼き過ぎの場合は、そのまま食べても問題ないとして、焼き足りなくて、切ってみたらまだ赤かったということもあるでしょう。

その場合、焼き直すのも1つの方法ですが、ちょっとくらい赤くても、食べて死ぬことはありません。

むしろ焼き足りないくらいの方が、肉の場合には、味としてはいいわけで、気にせずそのまま食べてしまうのをおすすめしたいです。



肉が焼き上がるすこし前に、ぶつ切りにした長ねぎを、フライパンでいっしょに焼きます。

鶏の脂が、あまりにもたくさん出ている時には、キッチンペーパーですこし拭きとるようにしてもいいかもしれません。



「塩」の場合には、以上で出来あがりですが、タレの場合は、ここでタレを調合し、フライパンに注ぎ込みます。

タレは、酒とみりん、それに醤油、各カップ8分の1に、砂糖を大さじ1。

これをよくかき混ぜ、味を見て、甘いようなら醤油を、辛いようならみりんを、すこし足します。

味付けは、レシピの分量を信じるのでなく、自分の舌を信じることが、料理するには大切ですね。



はじめは中火くらい、徐々に火加減を弱くして、焦げ付かないよう気を付けながら、タレを煮詰めていきます。

トロトロに、粘りが出てくるくらいまで、煮詰めていくのがポイントです。

これを鶏肉をひっくり返しながら、よくなすり付ければ出来あがりです。



適当な大きさに切って器に盛り、フライパンに余っているタレをかけ、見栄えをよくしたければ、青ねぎでもふります。

七味唐辛子や山椒をふりながら食べれば、焼き鳥屋に決して負けない味がしますよ。



あとはアサリと大根の味噌汁。

今はアサリをはじめ、貝類が旬ですから、毎日でも食べたいところです。



アサリは塩水に浸け、砂出しをしておきます。

カップ1の水に、大さじ1くらいの塩を入れ、そこにアサリを1~2時間入れておくと、アサリが砂を吐き出してくれるんですね。

ただスーパーで売っているアサリの場合は、もう砂出しされていて、そのまま料理に使えるものも少なくありません。

砂出ししたら、アサリを両手で受けて、殻をこすり合わせるようにしながらよく洗います。



鍋に水を張り、好きな形に切った大根と、昆布を入れる。

水の量は、アサリからたっぷりのだしが出ますから、たとえばアサリの量が150グラムくらいだったとして、水を500ccくらい入れても、まったく問題ありません。

この量だと、夜の味噌汁にくわえ、朝のうどんにも、十分足ります。



大根がやわらかくなるまで煮たら、昆布は捨て、アサリを入れる。

すぐにアサリの殻が開いてきますから、アクを取り、火を止めて、味噌を溶き入れる。

もう一回火をつけて、ひと煮立ちしたら出来あがり。

これはくれぐれも、アサリを煮すぎないのがポイントです。



今のアサリは、身がいっぱいに詰まっていて、大変うまいです。

アサリと大根も、いい取り合わせですよね。



あとは昨日の残りのほうれん草のナムルと、スグキ。

酒は日本酒。

昨日はなんと、酒は1合半ほどで済みました。

やればできる。

といっても、べつに長生きしたいというわけではありません。



夜、酒を飲むなら、ご飯はいらないでしょう。

残しておいた汁物で、冷凍うどんを煮て朝めしにするのが、最も手軽な自炊の仕方だと思います。