肉じゃがといえば、「おふくろの味」として定着しているわけですが、肉じゃがを発明したのは、元々は大日本帝國海軍。
当時艦隊の乗組員に脚気が続出し、海軍ではその原因を、和食中心の食事にあるのではないかと考えた。
そこで提督であった東郷平八郎が、イギリス留学時代に食べたビーフシチューを作れと艦隊のコックに命じ、シチューを知らなかったコックが苦心惨憺のすえ作り上げたのが、肉じゃがだったとのこと。
肉じゃがは、カレーと材料が同じだったため、材料の調達がやりやすく、それもあって海軍で広まったといわれています。
その肉じゃがですが、ものすごくたくさん、作り方があるんですね。
「きょうの料理」のサイトに掲載されているレシピだけで、27種類もありました。
まさにその家庭それぞれによって、異なったやり方があるといってもいいのでしょう。
じつは海軍にも、肉じゃがらしき料理のレシピは複数あるようです。
肉じゃがの作り方で、いちばん大きく異なるポイントは、「使う水(だし)の量」なんですね。
まったく水を使わないやり方もあるし、水をたっぷり使って、ゆっくり煮ふくめるやり方もある。
少なめの水で、煮汁を煮詰めてしまうやり方もある。
それぞれに、それなりのおいしさがあるのでしょうが、僕がやるのは「煮詰める」やり方です。
ジャガイモ。
大きめにゴロゴロと切って、水にさらさずそのまま入れます。
水にさらすのは、煮くずれを防ぐためですが、このやり方は煮くずれしないのでだいじょうぶです。
ニンジンも、大きめにザクザク切って入れます。
玉ねぎも同様。
野菜の分量は、フライパンに入れたとき、あまり積み重ならず、並んで入るくらいにしておくといいんじゃないかと思います。
昨日はジャガイモ2個、ニンジン1本、玉ねぎ中1個、という感じでしたが、ちょうどよかったです。
それから牛コマ肉。
牛コマ肉は、オーストラリア産のが、よくスーパーの安売りで100グラム100円くらいで売ってたりするので、そういうときに使うようにします。
これを野菜の上に、広げて載せます。
肉じゃがは、初めに炒めてから煮るようにするレシピが多いんですが、べつにその必要はまったくないです。
よっぽどコッテリした味が好きな人は別ですが、そうではなければ、他に炒めたほうがいい理由は見当たりません。
野菜と肉を入れた鍋に、まずだしか水。
だしの方がおいしいですが、牛のだしがあるので、水でも十分イケるものになります。
ただ水を使った場合は、器に盛ったら、かならず七味唐辛子をふらないと、ちょっとボケたような味になります。
だしの分量は、カップ1。
カップ1だと、材料に水がまったくかぶりませんから、初めてこのやり方でやる人は、「これで本当に火が通るのか」と心配になるかと思います。
でも絶対にだいじょうぶ。
ここで水の量を増やしてしまうと、失敗する原因となります。
それから調味料を入れます。
砂糖。
これは完全に好みですが、例えば大さじ3くらいとか。
それにみりん。
これも好みで、例えばカップ8分の1。
それに酒。
カップ8分の1程度。
酒は、コクを付けるためにあるので、適当な量でかまいません。
醤油はあとから入れるので、ここで入れません。
これは中火でなく、強火。
フタをして、強火で煮れば、沸き立った煮汁が上までかぶるようになります。
また後半、煮汁から野菜が顔を出しても、フタをしていますから、「蒸し焼き」の状態となり、ちゃんと火が通ります。
煮汁が沸騰してからの煮時間は、約10分。
ジャガイモはだいたい、8~10分で、火が通るんですね。
それで10分を超えると、煮くずれしてきます。
だから煮時間を10分に抑えるのが重要で、10分で煮詰まる水の分量が、カップ1だということなんです。
ただ僕は、カセットコンロでやっていますので、もっとレンジの火が強かったりして、万が一途中で煮汁がなくなってしまうようなら、水を足してもらってもかまいません。
醤油はうすくち醤油のほうが、色がきれいになりますが、べつに濃いくち醤油でも問題ありません。
これを、味を見ながら、ちょうどよいと思われる程度の分量入れます。
たぶん、カップ4分の1とか、そのくらい入るんじゃないかと思いますが、これは分量ではなく、味を見ながら、加減するのが大切です。
醤油を入れたら、またフタをして、引き続き強火で煮ます。
醤油をあとから入れるのは、そうした方が、甘みが野菜の中にきちんと入っていくからなんですね。
ここで長ねぎなどを入れると、またおいしいですが、入れなくても問題ありません。
鍋の上下を返しながら、汁を煮詰めます。
上下を返すことで、全体に味がまわることになります。
煮汁が多めで、10分過ぎてしまっても、フタをとってからなら問題ありません。
煮詰めすぎると、今度は焦げることになりますから、多少煮汁が残るくらいのところで火を止めます。
青ねぎでなく、絹さややインゲンをサッとゆでたのを、最後に加えてもいいですよね。
これはジャガイモはほっくり、肉も炒めていないのでやわらかく、大変うまいです。
ちょっとあっさり目の感じになりますが、それがまたいいところだと思います。
肉じゃがはあまりにうまく、鍋いっぱいに作ったのを、全部食べ切ってしまいました。
今日健康診断なのに、食べ過ぎだし。