ひと雨ごとに、春の足音が聞こえる季節となってきましたね。
今日は京都は、暖かな雨が降っています。
秋から冬が、魚は何といってもおいしいわけで、サンマに始まり、サバ、ブリ、そしてカキ。
気が狂うかと思うような、うれしい連打が続くこととなります。
春は魚は、それほどでもないですが、アサリは旬に突入しましたし、鯛もこれから桜の時期が、旬なのだそうですね。
それからイワシも、春から夏にかけて、旬を迎えていくこととなります。
イワシは安く、昨日も大きめのが4尾入って、98円という信じられない価格でしたが、味の方も、馬鹿にできないものがあるでしょう。
旬の、まるまる太って脂が乗ったイワシのおいしさは、言うまでもないことなわけですけれど、そこまでいかなくても、十分おいしく食べられます。
旬の時期のサンマのような、圧倒的な存在感はないものの、地味ながらきちんと走者を塁に進めていく、「イチロー」のような存在といえるでしょうか。
イワシはまずは、塩焼きしてもおいしいです。
これはあまりに当たり前すぎて、料理の本にも出てくることはないし、店でも出されることはありませんが、サンマの塩焼きに、引けを取るところはありません。
サンマ同様、イワシもはらわたまで食べられます。
イワシは鮮度が落ちると、はらわたから悪くなっていくので、店でもはらわたを取り除いて売るそうです。
ですからはらわたのついてるイワシは、それなりに鮮度がいい証拠なのだとか。
ただ塩焼きは、冷めてしまうと、急速にまずくなるんですよね。
あれはどうしてなのでしょう。
魚の脂が高温で加熱されることに関係があるんでしょうか。
なので、酒を飲みながら、ちびちびと食べるには、塩焼きは、イマイチ向いていないから、煮付けることになる。
イワシを煮付けるといえば、黄金なのは「梅煮」。
イワシの独特のクセと、梅干しの酸っぱい味が、なんともよく合うわけなんですよね。
檀一雄はイワシの梅煮を、「お茶」で煮付けるという荒業を、「檀流クッキング」で見せてくれるんですが、それは次回に譲ることにして、今回はふつうにやりました。
イワシは、頭が付いてるやつは、よっぽどはらわたが嫌いでなければ、そのまま使ってだいじょうぶです。
小さなウロコが付いているので、水洗いして、手でよくこすって落とすようにします。
これを檀一雄は、「ていねいにそぎ切りする」と書いているんですが、その意味が今回、初めてわかりました。
梅干しは、きれいに切らないと、皿に盛りつけた時、汚いものが付着しているようになり、見た目がすごく悪くなるんです。
檀一雄のレシピは、細かい理由が書かれていることがほとんどなく、実際に檀の言うとおり作ってみて初めて、その意外な意味がわかることが、とても多いです。
檀は作家としての自負があるから、料理法については細かく説明しないのかと想像したりします。
梅干しは、小さめのを5個入れました。
わりとたっぷり入れたほうが、おいしいと思います。
それにだし昆布、水と酒を半カップずつ。
砂糖大さじ3くらいと、みりん4分の1カップくらい。
このへんの分量は、適当でいいです。
ただ問題は、しょうゆの量。
梅干しが入るので、塩分が煮ているうちに出てきて、初めの段階でちょどよい味付けにしてしまうと、塩っぱくなりすぎることになる。
煮汁を煮立てて味見をし、「ちょっと甘すぎる」くらいの加減にしておくことが重要です。
火加減は、強めの中火。
魚の煮付けは、とにかく煮過ぎないようにすることが大事なので、煮時間だけは、気を付けるようにした方がいいと思います。
ホクホクのイワシに、梅干しの酸味がたまりません。
イワシは、見た目がかわいいのも、食欲をそそるところです。
カブは、鶏肉などと一緒に炊くのがまたおいしいけれど、あっさりと塩漬けにするのもいいですよね。
カブの実は、皮をむき、4~5ミリ厚さ程度に切る。
茎はかたいので使わず、上半分の葉っぱのところだけざく切りにする。
カブはあっという間に浸かり、3~4時間でもう水が上がってきます。
これを昨日は食べてみたんですが、カブは浅漬かりでおいしかったけれど、葉っぱの方は、まだ青くさくて、もうちょっと置いたほうがよかったです。
水菜はほんとに、さっと煮るのがポイントです。
酒を3合ほど飲み、それでお腹がいっぱいになるので、ご飯は食べません。
朝うどんを食べ、日中はおせんべいやお菓子でつないで、夜は酒、食べ終わったらすぐに寝る、という生活をしています。
それで太ることもなく、一時より3キロほど痩せました。