アサリが旬に突入しました。
アサリは5月と10月が産卵期なのだそうで、その前の3月~4月と9月が、殻いっぱいに身が詰まって、おいしい季節なのだそうです。
旬の食べ物は、やはり安いしおいしいし、言うことないですね。
ナスなどでも、夏から秋にかけての露地物は、みずみずしいし、苦味もまったくないし、ほかの季節のとは全然ちがいます。
肉には旬とか、あまり聞いたことないですよね。
野菜には、旬の野菜があるけれど、やはり旬は、なんといっても海のものでしょう。
肉食が中心の人は、旬のたのしみの半分は、味わっていないことになりますよね。
たしかに旬だけあり、いつもよりでかい。
食べてみたら、ほんとに殻いっぱいに身が詰まっていて、味もモチモチ。
さすが旬はちがうと実感しました。
でも砂出しは、スーパーなどで、パックに水と一緒に入って売られているアサリの場合は、もう砂出し済みなので、しなくてもだいじょうぶ。
それに少しくらい砂を噛んでいたって、煮れば砂は鍋の底に沈みますから、あまり問題ないですね。
砂出しするには、「3%の塩水」とかいいますが、これはべつに、分量を計る必要はありません。
要は「海水と同じくらい」という意味なんですね。
海水とおなじくらいの濃度の塩水に浸けると、アサリの奴ら、家に帰ってきたかと安心して、のんびり砂を吐き出しまくるというわけです。
なので塩を溶かした水を味見して、海で溺れかけて海水を飲んでしまった時のことを思い出し、それとおなじくらいの塩辛さにすればOKです。
でも海で溺れたことがない人は、たしかに1回は計ってみて、海水の味を憶えたほうがいいのかもしれないですね。
海水は、けっこう塩っぱいです。
砂出しすると、いつもアサリは、貝のすき間から、長い口を伸ばします。
フタを急に開けると、驚いたアサリがあわてて口を引っ込めたり、またそれが、素早い奴とトロい奴がいて、トロい奴がフタを開けられたのに気づかず、口を伸ばしっぱなしにしていたりするのを眺めるのがたのしかったんですが、今回のアサリは冷静沈着、口を伸ばしたりする奴は1匹もいません。
死んでるのかと心配しましたが、煮てみると全員殻をひらいたので、そういうわけでもないみたい。
それでわかったんですが、旬のアサリは、「腹いっぱい」なんですね。
アサリが口を伸ばすのは、家に帰ったと思ってくつろいでるのかと思ってましたが、どうやらそうではなく、お腹が減っていたということなんでしょう。
それで口をいっぱいに伸ばして、エサがないか、探していたんですね。
ところが旬の奴らは、しこたま栄養をたくわえて太っているから、もうエサなど探す必要がない。
アサリの世界もなかなか厳しいのだなと、あらためて思いました。
酒と水を半々、あわせて半カップくらいに、醤油をひとたらし入れたもので、殻をこすりあわせてよく洗ったアサリを煮、殻が全部ひらいたら出来あがり。
簡単で、これが一番うまいアサリの食べ方だというのだから、言うことありません。
でもアサリの酒蒸しは、せっかくのアサリのおいしいだしを、あまり活用できないんですよね。
皿に残っただしは、魚の煮付けの煮汁といっしょで、アサリをつけて食べるためにあるもので、飲むものではないでしょう。
それで今回は、半々の酒と水1カップくらいと、煮汁の量を増やし、それを別の鍋にとり分け、さらにうすめて、吸い物も作りました。
まあもちろん、こんなことしない方が、アサリの酒蒸し自体はおいしいですが、やっても「まずくなる」というほどではありません。
プリプリの旬のアサリは、たまりません。
これもなかなかです。
いやもちろん、ここまでやらずに、ふつうに酒蒸しでもいいんですよ。
スグキを売っている上賀茂の農家のおばちゃんに、「スグキのおいしい食べ方」を聞いたら、もちろんそのまま、何もつけずに食べるのが一番だけど、「卵焼きもおいしい」とのことだったんです。
それで卵を買って帰ったんですが、家で、さあこれから卵焼きを作ろう、という段になって初めて、今まで卵焼きを作ったことがなかったことに気が付いた。
ネットで調べてみたら、卵焼きを作るには、卵焼き専用のフライパンが必要なんですよね。
もちろんそんなものはありませんが、フライパンでも卵焼きは作れるとのことだったので、やってみることにした次第。
さて、これを丸めていくわけなんですが・・・。
完成した卵焼き、上の写真のとおり、正面から見るときれいなんですが・・・。
味については、やはり卵焼きというものを、根本的に勘違いしていたことが判明。
甘みをまったく入れなかったので、塩っぱいばかりで、ちょっとイマイチな代物となってしまいました。
しかしもちろん、食べられない程ではなかったので、完食はしましたとさ。
酒は日本酒。
旬のアサリを味わい、春を満喫。
ちなみにアサリの身入り・・・。