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2012-03-05

一人暮らし料理は「買い物」がポイント。
「肉団子」「中華スープ」


一人暮らしで自炊しようと思うと、買い物が非常なポイントとなる。

どのように買い物するかで、自炊を続けられるかどうかが決まるといえるんじゃないか。

というのは、一人暮らしで自炊するには、楽しくなければ続けていけないからなのだ。



家族がいて、その一員として料理をするという時には、大なり小なり役割分担があるものだろう。

主婦が一手に家の料理を引き受けている場合も多いだろうし、共働きの夫婦だったら、ご主人と奥さんが交代で料理することもあるかもしれない。

またご主人のほうが、主夫として料理を引き受けることも、最近は少なくないんだろう。

いずれにせよそこに役割分担があり、「義務」という側面があるから、料理はしなくてはならない、一種の「仕事」であるということになる。



ところが一人暮らしの場合には、そのような役割分担が存在しない。

家には一人しかいないのだから、料理をしなかったからといって、誰に責められることもない。

そういう状況だと、料理を「仕事」として位置づけてしまうと、なかなか続かない。

べつにしてもしなくてもいいわけだから、面倒だと思ってしまうと、ついついやめてしまうことになりがちなのだ。



一人暮らしの、とくに男性が犯しがちなまちがいとして、

「食材を買い込んでしまう」

ことがあるんじゃないかと思う。

スーパーの特売日に、安く売ってる食材をたくさん買って、家の冷凍庫で冷凍しておく。

電子レンジで解凍して使えば、経済的だし、毎日買い物に行く必要もなくなるから効率的だと思うところだろう。



ところがそうやって、経済性とか効率とかを考えるようになってしまうと、料理は「仕事」になってしまう。

冷凍庫にいっぱいに入った食材は、「処理」する対象となってしまうというわけだ。

何かを処理することに、あまりワクワクする人はいないだろう。

どちらかといえば、「頭が重い」ものであり、悩みの種にしかならないものだ。



一人暮らしが自炊を続けるためには、料理は仕事ではなく、「趣味」でなければいけない。

「しなければいけないこと」ではなく、「好きなこと」「したいこと」だからこそ、一人暮らしは料理を続けていけることになるのである。

そのためには、まずは「仕事」という頭を、すっかり取り去ってしまうことが必要になるんじゃないか。

「経済性」とか、「効率」とか、会社で習うようなことはひとまず忘れて、自分が「おもしろい」とか、「楽しい」とか感じることを追求することが、一人暮らし料理の秘訣なのではないかと思う。



料理の楽しさやおもしろさは、

「自分が食べたい」

というところに根差しているだろう。

食べたいものを作るからこそ、おもしろいし、楽しいということになる。

ところで「食べたい」という気持ちは、「その日」にしかないものなのじゃないか。

前日までは食べたかったものでも、その日になってみたら、べつに食べたくないというのは、よくあることだろう。



だから、買い物は、その日に行くに限る。

自分が食べたいと思うものをその日に買うからこそ、料理は楽しくなる。

家で考えていても、食べたいものが浮かばない時には、スーパーへ出かけてみれば、食べたいものがかならず見つかる。

食べたいものを、どうやって食べるかを考えるところにこそ、料理の本当のおもしろさがある。



ただ一人暮らしが、「その日に食べる分だけ買う」ことは、意外にむずかしい。

スーパーでも、商店でも、商品の量が、一人暮らしを対象とはしていない。

家族で食べるのにちょうど良い分量となっていることが多い。

できるだけ少ない量で売っている店を探すとともに、使う材料の点数を減らす工夫も必要となってくるだろう。



冷蔵庫や冷凍庫に、使い切れない材料がたまってしまい、もうそれを「食べたい」とは思えなくなったら、思い切って捨ててしまうのも悪くない。

もちろん捨てずに、うまく処理できれば、その方がいいに決まっている。

しかしそれで自炊が嫌になってしまうくらいなら、下手な罪悪感など持たないほうがいい。

自炊に慣れれば、無駄にする食材の量も、自ずと減ってくるものだ。






昨日は肉団子を作ることにした。

肉団子は作ったことがなかったけれど、最近つみれの作り方を憶えたから、それを応用してみることにする。

レシピは一切参考にしなかったのだけれど、肉団子はふつうは揚げるものなのだろう。

しかし今回は、煮ることにした。

煮れば、肉団子からおいしいだしが出てくるから、それをスープにすることもできることになる。



豚のひき肉250gに、長ねぎのみじん切り15センチ分くらい。

塩ひとつまみとしょうゆを大さじ2杯。

ショウガのすりおろしたの1かけ分。

片栗粉を大さじ3杯。

ほんとうは、卵の黄身を入れるつもりだったのを、買い忘れたけれど、べつにとくべつ問題なかった。

これをよく手でこねる。

こねているうちに、肉のタンパク質と塩分が反応するそうだ、粘り気が出てくる。

粘って手にひっついてくるまで、こねつづける。



鍋に水を張り、昆布を入れて火にかけて、沸き立ってきたらたっぷりの酒をふる。

こねたタネをスプーンで丸くまとめて、一つずつ入れていく。

アクを取りながら10分くらい煮て、スープを味見してだしがしっかり出たところで、肉団子をとり出す。



肉団子にからめるタレを作る。

これは小鍋でやってしまったけれど、フライパンでやればよかったとあとから思った。

肉団子のスープをお玉に2杯。

砂糖とみりん、それにしょうゆでこってり目に味付けする。

おろしたニンニクとショウガを、それぞれ1かけ分。

それにウスターソースを、大さじ2杯。

水溶きの片栗粉をくわえてトロミをつける。



タレをよくからめつけたら出来あがり。



これはたいへん成功した。

肉団子は煮ているから、うまみが抜けているといえば抜けているけれど、むしろこのくらいがちょうどいい。

ウスターソースは、酸味と香味をつけるためと思って入れてみたけど、これも良かった。

ケチャップなど入れてみてもいいのかも。



スープには、塩としょうゆ、おろしたニンニクとショウガ、それにコショウで味付けする。

シメジでも長ねぎでも、好きな汁の実を入れるといい。

これがまた、コクがたっぷりでたいへんうまい。



ほうれん草のおひたし。

ほうれん草は、面倒でも、1茎ずつゆでると、全部をいっしょにゆでてしまうのと味がまったくちがう。

これはほうれん草だけにいえることで、水菜や小松菜は、そんなことはない。

ほうれん草は、湯の温度が低くてもやわらかくはなるけれど、それだとアクがきちんと抜けないということなのだと思う。

だから湯の温度が下がらないよう、ほうれん草を一茎ずつ入れ、ゆで湯がしっかりと沸騰した状態でゆでるのが大事になる。



酒は芋焼酎のお湯割り。

昨日は用心したので、飲み過ぎることも攻撃的になることもなかった。



スープは残しておいて、翌日のうどんにすると、またうまい。

「中華うどん」も、なかなかいい。