2012-03-23

史上最強の(と個人的には思う)
「肉じゃが」




肉じゃがといえば、「おふくろの味」として定着しているわけですが、肉じゃがを発明したのは、元々は大日本帝國海軍。

当時艦隊の乗組員に脚気が続出し、海軍ではその原因を、和食中心の食事にあるのではないかと考えた。

そこで提督であった東郷平八郎が、イギリス留学時代に食べたビーフシチューを作れと艦隊のコックに命じ、シチューを知らなかったコックが苦心惨憺のすえ作り上げたのが、肉じゃがだったとのこと。

肉じゃがは、カレーと材料が同じだったため、材料の調達がやりやすく、それもあって海軍で広まったといわれています。



その肉じゃがですが、ものすごくたくさん、作り方があるんですね。

きょうの料理」のサイトに掲載されているレシピだけで、27種類もありました。

まさにその家庭それぞれによって、異なったやり方があるといってもいいのでしょう。

じつは海軍にも、肉じゃがらしき料理のレシピは複数あるようです。



肉じゃがの作り方で、いちばん大きく異なるポイントは、「使う水(だし)の量」なんですね。

まったく水を使わないやり方もあるし、水をたっぷり使って、ゆっくり煮ふくめるやり方もある。

少なめの水で、煮汁を煮詰めてしまうやり方もある。

それぞれに、それなりのおいしさがあるのでしょうが、僕がやるのは「煮詰める」やり方です。



フライパンに、材料をザクザク切って、入れていきます。

ジャガイモ。

大きめにゴロゴロと切って、水にさらさずそのまま入れます。

水にさらすのは、煮くずれを防ぐためですが、このやり方は煮くずれしないのでだいじょうぶです。

ニンジンも、大きめにザクザク切って入れます。

玉ねぎも同様。

野菜の分量は、フライパンに入れたとき、あまり積み重ならず、並んで入るくらいにしておくといいんじゃないかと思います。

昨日はジャガイモ2個、ニンジン1本、玉ねぎ中1個、という感じでしたが、ちょうどよかったです。

それから牛コマ肉。

牛コマ肉は、オーストラリア産のが、よくスーパーの安売りで100グラム100円くらいで売ってたりするので、そういうときに使うようにします。

これを野菜の上に、広げて載せます。



肉じゃがは、初めに炒めてから煮るようにするレシピが多いんですが、べつにその必要はまったくないです。

よっぽどコッテリした味が好きな人は別ですが、そうではなければ、他に炒めたほうがいい理由は見当たりません。



野菜と肉を入れた鍋に、まずだしか水。

だしの方がおいしいですが、牛のだしがあるので、水でも十分イケるものになります。

ただ水を使った場合は、器に盛ったら、かならず七味唐辛子をふらないと、ちょっとボケたような味になります。

だしの分量は、カップ1。

カップ1だと、材料に水がまったくかぶりませんから、初めてこのやり方でやる人は、「これで本当に火が通るのか」と心配になるかと思います。

でも絶対にだいじょうぶ。

ここで水の量を増やしてしまうと、失敗する原因となります。



それから調味料を入れます。

砂糖。

これは完全に好みですが、例えば大さじ3くらいとか。

それにみりん。

これも好みで、例えばカップ8分の1。

それに酒。

カップ8分の1程度。

酒は、コクを付けるためにあるので、適当な量でかまいません。

醤油はあとから入れるので、ここで入れません。




上のものをすべて入れたら、フライパンのフタをして、強火にかけます。

これは中火でなく、強火。

フタをして、強火で煮れば、沸き立った煮汁が上までかぶるようになります。

また後半、煮汁から野菜が顔を出しても、フタをしていますから、「蒸し焼き」の状態となり、ちゃんと火が通ります。



煮汁が沸騰してからの煮時間は、約10分。

ジャガイモはだいたい、8~10分で、火が通るんですね。

それで10分を超えると、煮くずれしてきます。

だから煮時間を10分に抑えるのが重要で、10分で煮詰まる水の分量が、カップ1だということなんです。

ただ僕は、カセットコンロでやっていますので、もっとレンジの火が強かったりして、万が一途中で煮汁がなくなってしまうようなら、水を足してもらってもかまいません。



3分ほど煮たら、一度フタをあけ、醤油を入れます。

醤油はうすくち醤油のほうが、色がきれいになりますが、べつに濃いくち醤油でも問題ありません。

これを、味を見ながら、ちょうどよいと思われる程度の分量入れます。

たぶん、カップ4分の1とか、そのくらい入るんじゃないかと思いますが、これは分量ではなく、味を見ながら、加減するのが大切です。



醤油を入れたら、またフタをして、引き続き強火で煮ます。

醤油をあとから入れるのは、そうした方が、甘みが野菜の中にきちんと入っていくからなんですね。



8分煮たら、フタを取り、煮詰め始めます。

ここで長ねぎなどを入れると、またおいしいですが、入れなくても問題ありません。

鍋の上下を返しながら、汁を煮詰めます。

上下を返すことで、全体に味がまわることになります。



煮汁が多めで、10分過ぎてしまっても、フタをとってからなら問題ありません。

煮詰めすぎると、今度は焦げることになりますから、多少煮汁が残るくらいのところで火を止めます。



器に盛って、青ねぎをふります。

青ねぎでなく、絹さややインゲンをサッとゆでたのを、最後に加えてもいいですよね。

これはジャガイモはほっくり、肉も炒めていないのでやわらかく、大変うまいです。

ちょっとあっさり目の感じになりますが、それがまたいいところだと思います。



昨日はあとは、シジミの赤だしと漬物、それに焼酎のお湯割り。

肉じゃがはあまりにうまく、鍋いっぱいに作ったのを、全部食べ切ってしまいました。

今日健康診断なのに、食べ過ぎだし。