スペインの代表的な料理といえば、「パエリア」だろう。檀一雄「檀流クッキング」にも、もちろんパエリアは載っている。
「スペインの町々に『パエリア』という料理がある。ごくありふれた、お米の料理で、まあ、いってみれば『ピラフ』の変種だが、必ずサフランの黄色い色と、独特の香気がからみついているところがおもしろい」と冒頭に書いているから、檀がこれを書いた昭和45年当時、まだ日本では、パエリアは知られていなかったのだろう。
パエリアは、バルセロナとか、バレンシアとか、地方地方によって、中に入れる具がちがっているのだそうだ。鶏だけを入れる地方もあり、エビを入れる地方もあり、魚のから揚げを加える地方もあるとのこと。
檀は「檀流クッキング」で、バルセロナの一軒の店で食べた流儀をまねしたという、「何もかもごたまぜにした、豪快なパエリア」を紹介している。それを今回、さらにまねしてみた。
パエリアの中にいれる具について、檀は「何をぶち込んでもよろしいと思っていただきたい」と書いている。
「・・・何でも入っている地方があり、入っていない地方があり、千差万別だからだ。
私は雑多なもののまぜ合わせが好きだから、生シイタケ、冷凍エビ、カラ揚げしておいた魚、アサリ等々と、何もかも入れる。
そのアサリも、殻ごと入れるから、いやはや、出来上がりのパエリアは、それこそ満艦飾のもようを呈するのである・・・」今回つくるのには、檀が使った冷凍エビの代りに、冷蔵庫にはいっていたゆでダコを使い、魚のから揚げはめんどうだから省略した。
檀はパエリアをつくるのに、フライパンを2つ使っているのだが、こちらは1つでやらないといけないので、たしょう工夫が必要だ。
あさりは塩水にしばらく浸け、砂出ししてから、水で、殻をこすり合わせるようにしながら、よく洗う。タコとしいたけは、それぞれぶつ切りにする。
檀は「鶏の骨付腿肉を一本買い、ぶつ切りにして・・・」と書いているが、スーパーに骨付き肉が売っていなかったので、今回は骨なしもも肉。ぶつ切りにしておく。
米を研ぎ、水にひたしておく。
米の量は、いろいろレシピを見てみると、ふつうの大きさのフライパンでつくるための分量として、「2カップ」というのが多かった。しかしそれだと、2食分にしても、ひとりだと多すぎるので、今回は300cc。
サフランひとつまみを、「少量の熱湯」にひたしておく。
フライパンにオリーブオイルをたっぷりしき、みじん切りしたニンニクを「少量」いれたら、まずタコ、それからしいたけ、あさりをいれ、あさりの殻が開くまで炒める。
あさりの殻が開いたら、「全体にほど良く塩加減」する。あさりに塩分があるから、塩をいれ過ぎないことがポイントとなる。
これを器にいれ、おいておく。
つぎに米を炊く。
みじん切りにした玉ねぎに、ニンニクを「少量」、きざみ込んだものを、たっぷりのオリーブオイルで、「しばらく」炒める。火加減は中火。
玉ねぎの量は、「5、6合の米で中ぐらいのタマネギ半分か、3分の1くらい」。意外と少ない。
そこへ、水にひたしておいた米を、ざるで水をよく切り、いれる。これを「5分かそこら」炒める。火加減は中火のまま。
熱湯にひたしておいたサフランを、米にかけ、「全体がムラなく、黄色く発色するよう丁寧にまぜ合わせる」。
「お米と同量」の水をいれ、鶏のぶつ切りをいれたら、塩を入れる。
この塩加減について、檀は、
これに「わずかの」白ワインをいれて、フライパンのフタをしめ、火を強火にする。(写真はサフランをいれたコップをそのまま使ったから、ワインが黄色くなっている)
水が煮立ってきたら、火を中火にもどし、そのまま中火で炊き上げる。
火を止めるタイミングが問題なのだが、フタがガラスになっていれば、そこからのぞけばいいし、もしガラスじゃなければ、ときどきフタをあけたってかまわない。まず水がまったく見えなくなることが重要だ。
さらに「チリチリ」と、鍋の底にのこった水滴が、蒸発する音がしはじめ、においをかいで、「焦げはじめる気配」を感じた時点で、火を止めるようにする。
火を止めたら、フタをしめたまま、5分か10分、蒸らすようにする。
蒸らし終わったら、さっき炒めた具をもどし、もう一度火をつけて、全体を混ぜあわせたら出来あがり。
パセリのみじん切りをちらし、「ペパー」をふりかけながら食べる。
このパエリア、実にうまかった。檀は「少量なら酒のサカナにもよろしいだろう」と書いているが、とんでもない。
スーパーで買った、スペイン産の安白ワインを飲んだのだけれど、これがやや甘い飲み口で、パエエリアの味とよく合って、食べれば食べるほど、腹が減ってくる。2食分とおもった量を、あやうく全部、平らげそうになってしまった。
鶏とあさり、それにしいたけの出汁が、うまいこときいているのはもちろんだが、やっぱりこれは、オリーブオイルの働きなのじゃないかという気がする。オリーブオイルはかなりの量をいれたのだけれど、油っこさは皆無、さっぱりとして、さわやかなうまみがある。
サフランのほんのりとした香りと、黄色い色も、食欲をさそう。
派手な、突出した味はひとつもないのだけれど、全体として非常に上品にまとまっていて、スペイン料理は、やっぱりすごいわ。
昨日はあとは、「なんちゃってスペイン風、豆腐サラダ」。
こうやって毎日、スペイン風の食卓になっていても、商店街で豆腐屋の前を通れば、豆腐を買わないわけにはいかないのだ。
この豆腐を、やはり八百屋で買った万願寺といっしょに、レタスと混ぜ、みじん切りのニンニクと玉ねぎ、塩コショウ、ポッカレモン100、オリーブオイルで和え、みじん切りのパセリをふりかけた。
なかなか美味。
昼めしは昨日も、純日本風。
商店街に露店を出す、農家のおばちゃんから買った水菜とナスの漬物と、きんぴらごぼう。汁はとろろ昆布の簡易吸物。
フライパンにオリーブオイルをたっぷりしき、みじん切りしたニンニクを「少量」いれたら、まずタコ、それからしいたけ、あさりをいれ、あさりの殻が開くまで炒める。
あさりの殻が開いたら、「全体にほど良く塩加減」する。あさりに塩分があるから、塩をいれ過ぎないことがポイントとなる。
これを器にいれ、おいておく。
つぎに米を炊く。
みじん切りにした玉ねぎに、ニンニクを「少量」、きざみ込んだものを、たっぷりのオリーブオイルで、「しばらく」炒める。火加減は中火。
玉ねぎの量は、「5、6合の米で中ぐらいのタマネギ半分か、3分の1くらい」。意外と少ない。
そこへ、水にひたしておいた米を、ざるで水をよく切り、いれる。これを「5分かそこら」炒める。火加減は中火のまま。
熱湯にひたしておいたサフランを、米にかけ、「全体がムラなく、黄色く発色するよう丁寧にまぜ合わせる」。
「お米と同量」の水をいれ、鶏のぶつ切りをいれたら、塩を入れる。
この塩加減について、檀は、
「しょっぱくなりすぎると、後で修正がきかないから、なるべく薄味のつもりで、塩味を控えめにするがよい」と念を押している。
これに「わずかの」白ワインをいれて、フライパンのフタをしめ、火を強火にする。(写真はサフランをいれたコップをそのまま使ったから、ワインが黄色くなっている)
水が煮立ってきたら、火を中火にもどし、そのまま中火で炊き上げる。
火を止めるタイミングが問題なのだが、フタがガラスになっていれば、そこからのぞけばいいし、もしガラスじゃなければ、ときどきフタをあけたってかまわない。まず水がまったく見えなくなることが重要だ。
さらに「チリチリ」と、鍋の底にのこった水滴が、蒸発する音がしはじめ、においをかいで、「焦げはじめる気配」を感じた時点で、火を止めるようにする。
火を止めたら、フタをしめたまま、5分か10分、蒸らすようにする。
蒸らし終わったら、さっき炒めた具をもどし、もう一度火をつけて、全体を混ぜあわせたら出来あがり。
パセリのみじん切りをちらし、「ペパー」をふりかけながら食べる。
このパエリア、実にうまかった。檀は「少量なら酒のサカナにもよろしいだろう」と書いているが、とんでもない。
スーパーで買った、スペイン産の安白ワインを飲んだのだけれど、これがやや甘い飲み口で、パエエリアの味とよく合って、食べれば食べるほど、腹が減ってくる。2食分とおもった量を、あやうく全部、平らげそうになってしまった。
鶏とあさり、それにしいたけの出汁が、うまいこときいているのはもちろんだが、やっぱりこれは、オリーブオイルの働きなのじゃないかという気がする。オリーブオイルはかなりの量をいれたのだけれど、油っこさは皆無、さっぱりとして、さわやかなうまみがある。
サフランのほんのりとした香りと、黄色い色も、食欲をさそう。
派手な、突出した味はひとつもないのだけれど、全体として非常に上品にまとまっていて、スペイン料理は、やっぱりすごいわ。
昨日はあとは、「なんちゃってスペイン風、豆腐サラダ」。
こうやって毎日、スペイン風の食卓になっていても、商店街で豆腐屋の前を通れば、豆腐を買わないわけにはいかないのだ。
この豆腐を、やはり八百屋で買った万願寺といっしょに、レタスと混ぜ、みじん切りのニンニクと玉ねぎ、塩コショウ、ポッカレモン100、オリーブオイルで和え、みじん切りのパセリをふりかけた。
なかなか美味。
昼めしは昨日も、純日本風。
商店街に露店を出す、農家のおばちゃんから買った水菜とナスの漬物と、きんぴらごぼう。汁はとろろ昆布の簡易吸物。