肉のだしに魚のだしがブレンドしてあるダブルスープ。最近よくある、煮干の粉をどっさり入れたとかいうのじゃなく、たぶんかつお節とかさば節とか、そういうもので取っただしを合わせてあるのだと思う。強めにきかせた醤油味とあいまって、まさにそばのだしという感じ。それに中細の、ぷりぷり、しこしことした麺が合わせてある。
全体として大変上品で、2枚のチャーシューは、モソモソしたのとぷりぷりしたのと、二通りの味が楽しめるようになっていたり、ねぎは白ねぎと青ねぎと、両方を使って、しかもそれを縦に刻んでいたり、メンマも厚めに切って、それをやわらかめに炊いてあったり、またチャーシューごはんも、これはチャーシューの炊き込みご飯で、初めて食べたが大変おいしかったり、微にいり細にわたって神経が払われているのがよくわかるのだが、うーん、惜しいんだな、ちょっと。
それで結局、何なのよ、これ、と聞いたとき、ひとことで答えられるものがないのだ。ジャンルとしては和風ラーメンなのだが、和風ラーメン界には最凶ともいわれる高倉二条を初めとして、アクの強い人たちが集結し、しのぎを削っているわけだからな。そういうものと比べるとどうしても、小粒で個性がないように見えてしまう。
たぶん店主は、和食の職人だったりとか、したのだろうな、もともと。随所に腕の確かさが光っているように見えた。そういう職人が作った、おもしろ味はないが、きちんとうまい和風ラーメン。そういう感じなのだろうな、これは。
山崎麺二郎 (ラーメン / 円町駅、西大路御池駅、北野白梅町駅)
★★★★☆ 4.0