僕が以前、東京蒲田の韓国マッサージ店で働いていたオネエちゃんに聞いた話だと、韓国には「キムチクッパ」という食べ物があるのだそうだ。
ふつうのクッパや、カルビクッパ、ユッケジャンクッパなどなら聞いたことがあるけれど、キムチクッパは知らないなと思ったら、これは韓国では貧乏人が食べるもので、料理屋などには置いていないとのこと。
日本だと、キムチも買うとずいぶん高いが、韓国ではキムチは自分で漬けるものだから、いちばん安い、いつでも身近にある食品、ということになるのだろう。だからそれを煮こんで、ごはんを入れただけのキムチクッパは、日本でいえば、日の丸弁当みたいなものなのだろうな。
冷蔵庫に、ずいぶん前に買ったキムチが、まだずいぶん余っていたので、昼めしに、このキムチクッパを作ってみることにした。
ただし肉入り。
安くてうまい、国産の豚コマ肉、このごろ重宝に使うようになっている。
要はこの豚肉と、どっさりのキムチをグツグツ煮込み、塩で味をつけて、ごはんを入れれば出来上がりという、簡単な話。
1時間ほど、たっぷり時間をかけて煮込み、豚肉とキムチをトロトロにやわらかくすると、抜群にうまくなる。
塩は最後に、煮込み終わって汁の量が確定してから、入れるようにする。
きのうは煮込み時間を15分くらいにしたので、抜群にうまいとまではいかなかったが、十分うまい。
土鍋で作って、土鍋で食べるから、洗い物もラクだし、最小限の手間で、最高にうまいものを食べようという、ミニマル料理の観点からすると、これはかなりの優等生なのではないでしょうか。
ちなみにキムチは、賞味期限はほとんど関係ないのだ。
韓国では、秋に作ったキムチを、1年かけて食べたりするわけなので、きちんと冷蔵庫に入れておけば、そうそう腐ることはない。
時間がたつと発酵が進んで、酸っぱくなってくるのだが、これを煮物や炒め物に使うと、かえってコクが出て、またうまいのである。
晩めしは、グルメシティに、サバがわりと安くでていたので、これを鍋にすることにした。
サバもそろそろ旬が終わるから、今のうちに別れを惜しんでおかないといけないのだ。
サバの鍋って、あまり聞いたことないかもしれないが、ふつうにウマイ。
臭みが心配かもしれないが、きちんと湯通しすれば、まったく問題ない。
というわけで、湯通ししたサバ。
野菜は豆腐と長ネギ。
サバを鍋に入れるとき、いつもは味噌仕立てにしていたのだが、きのうはしょうゆ仕立てにしてみた。
濃口しょうゆにみりんの、こってりめの味付け。
もちろんだし昆布に、たっぷりの酒も入れておく。
いやこれは、ばっつぐんにうまかったす。
簡単にいえば、煮物みたいな味。
この煮物風鍋は、ちょっと新境地開拓かも。
酒は、京都の酒を切らしたので、菊正宗の常温。
写真も忘れた。
最後に鍋の汁をうすめて、吸い物に。
これがまた、からだがほっこりと暖まり、癒されるわけなのだ。