ナスのみそ炒めは定番中の定番だが、これに麸を入れるとグッと
おいしくなるのである。
昨日使った麸は「丁字麩」というもので、滋賀県名産。
酒房京子の女将京子さんは、「麸はこれが一番おいしい」と言っている。
京都の人に麸の使い方を色々聞くと、まずはもちろん定番のみそ汁、吸物、
そして「すき焼きに入れる」というのが次に出てくる。
そのあと「酢みそ和えに入れてもうまい」というのが出てきて、さらに京子さんは、
豚キムチに麸を入れていた。
要は麸はドロっとした液体を吸い込みやすいから、ドロっとした汁のある料理に
入れると、味を含んでおいしくなるということなのだと思う。
となればみそ炒めは、まさに麸を入れるのに打ってつけなのである。
みそは赤っぽいものなら何でもいい。
昨日は普通の麦麹みそを使ったが、おいしくできた。
具をあれこれと入れる炒め物は、具ごとに別々に炒めるのがいい。
一緒に炒めてしまうと、家庭用のコンロ、ましてやカセットコンロでは、
火力がまったく足りないし、具のそれぞれによって火の通り方がちがうので、
うまく炒めるのが難しくなる。
麸は水に浸し、水を含んだら手でよく絞る。
万願寺はヘタだけ落として種を入れたままざく切りにし、
サラダ油少々を使って強火でサッと炒める。
万願寺はただ冷蔵庫にあるから使ったので、ししとうでもピーマンでも
何でもいい。
大きめに切ったナスは、多めのゴマ油とサラダ油を使い、中火でじっくり炒める。
しんなりとし始めたくらいで取り出す。
鶏もも肉は一口大に切り、ゴマ油少々と輪切り赤唐辛子を入れ、
中火にかけたフライパンに皮目を下にして入れ、炒めるというよりは焼く。
皮目に焼き色がついたらひっくり返し、反対側を焼く。
鶏肉が焼けたら火加減を強火にし、うす切りにした玉ねぎ少々を入れてひと混ぜし、
みそと酒、みりん、砂糖大さじ2、おろしショウガ小さじ1/2の合わせ調味料を入れる。
さらに麸を入れ、上下を返しながら1~2分炒める。
白めしにかけるとうまい。
みそダレを一杯に含んだ麸のやわらかい食べ応えがたまらない。
あとはキュウリのじゃこポン。
スリコギでたたいて割り、指で一口大にちぎり、塩一つまみで揉んで10分置き、
水で洗って水気を拭きとったキュウリに、ちりめんじゃことポン酢醤油をかける。
簡単にできるが、お新香としても打ってつけの味になる。
今年の夏はひどい暑さで、京都では最高気温が37度とか、38度とかいう日が
連日続いている。
体温よりも暑いのだから、これはたしかに、死んだっておかしくない。
そこでできるだけ外へは出ず、カフェか家かの、エアコンの効いた場所で
過ごすということになる。
3年前、京都に来て初めての夏では、
「せっかく京都に来たのだから、京都の夏を味わおう」
と考え、家でエアコンを使わないでみたことがある。
そうしたら半日で熱中症になり、それからは抵抗せずに、エアコンをかける
ことにしている。
最近では出かけて家にいない時も、31度の設定でエアコンを付けている。
下手にエアコンを消し、温度変化があると電気代がかかると聞くからだが、
たぶんもちろん、不在の時までエアコンを付けるほうが、電気代はかかるだろう。
でも家に帰った時ひんやりとしている気持ちよさには代えられず、
お金もないのに贅沢をしているという訳である。
また夜寝る時は、26度の設定にして掛け布団をかけて寝ている。
色々試してみたのだが、これが一番寝付きがいい。
「年を取ると、ただでさえ寝られなくなるからね。」
いやほんとにそうなんだよ。