「自分なりのやり方」を見付けていけるものだけれど、
初心者のあいだは右も左も分からないから、ちょっとしたことで躓くと、
もう料理が嫌になってしまうことになりがちである。
特に一人暮らしの場合には、料理をしなくても誰に責められる訳でもなく、
しなければしないで済んでしまうところがあるから、
料理が嫌になると、すぐにそのまま外食暮らしになってしまうということも、
少なくないのではないかと思う。
そこでここでは、一人暮らし初心者の人に的を絞って、
食材の買い出し方を紹介してみたいと思う。
食材の買い出しは料理の最大のポイントとも言えることだし、
一人暮らしの場合には、特別な配慮も必要となってくる。
ただこのやり方は、あくまで「オレ流」、「ぼくはこうやっている」という話である。
「こうでなくてはいけない」と言っている訳ではないので、
「参考にする」ことに留めてもらいたいと思うところである。
◆食材の買い出しは最大のモチベーション
一人暮らしで自炊するとなると、
「どうやってモチベーションを維持するか」
が最大のポイントとなる。
別に一人暮らしの場合、主婦とは違って料理は義務にはならない。
しなくてもご主人に文句を言われるということもないから、
自炊を続けるためには強力なモチベーションが必要になる。
そのモチベーションとして、「食材の買い出し」は、かなり大きなものの一つだ。
スーパーや商店などお店で実際に食材を目の当たりにすると、
「ああ、この食材を使ってあれを作ってみたい」
という気持ちになる。
だからまず、
「食材の買い出しにはできるだけ頻繁に行く」
ことを、ぼくとしてはまず第一に薦めたい。
毎日行くのが理想である。
「効率」だけから考えると、食材は買い溜めをして冷凍保存し、
食材の買い出しにはできるだけ行かないようにした方が良いようにも
思えるかもしれないとも思う。
実際誰でも忙しく、料理以外にもすることは山のようにある筈だ。
でも料理に対するモチベーションが維持できなければ、効率も何もないのだから、
まずは食材の買い出しに行くことは、料理という作業の中で、
最も重要なことだと思う。
◆レシピを考えずにお店へ行く
次に初心者の場合、食材を買い出しに行く前に、何を作るかをまず決め、
レシピを確認し、材料をメモ書きして、メモに書いてある材料を
買わなければいけないと思いがちである。
しかしそうなってしまうと、メモ書きしている材料を探すためにだけ、
お店へ行くことになってしまうため、買い出しの楽しさは半減してしまう。
それよりも、買い出しは「散歩」のようなつもりでするのがお薦めだ。
あれこれ眺めながら歩いていると、
「あ、これを食べてみたい」
と思うような食材と、必ず出会える。
作り方など、塩を振って焼けば何だって食べられるのだし、
あとからどうにでもなる。
しかしどうやって食べたとしても、「食べたい」と思ったものを食べた時は、
おいしいに決まっているのである。
またもし積極的なタイプなら、食べ方はお店の人に聞いてみるのが一番いい。
個人商店なら食べ方を懇切丁寧に教えてくれるし、
スーパーでも、パートのおばちゃんや鮮魚コーナーのお兄ちゃんは、
聞けばきちんと答えてくれる。
お店で知り合いができるようになると、買い出しは一層楽しくなるが、
そういうことが苦手な場合は、それで買い出しが嫌になっても仕方がないから、
無理する必要がないのはもちろんだ。
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◆食材は最小限のものを買う
料理初心者が自炊が嫌になる大きな原因として、
「食材を余らせてダメにしてしまう」
ことがあると思う。
料理も経験を積んでくると、冷蔵庫にある材料を見て、そこから料理を
考えられるようになってくるが、初心者だとまだそれは難しい。
またスーパーなどで売られているパックは、一人分には多すぎるものがほとんどで、
一人暮らしで自炊をすると、なおさら食材は余ってしまいやすいと来ている。
なので食材は、あれこれ買い込まず、最小限のものを買うことが、
一人暮らしの初心者には大切なこととなる。
できればその日に食べる分だけ買うようにするのが理想的だ。
食材をその日に使い切るように買い出しするためには、
料理に使う材料の、点数を減らすことが必要となる。
材料をあれこれ使わずに、例えばメインの料理なら、
「肉か魚1点、野菜1点」
くらいに考えるようにすれば、食材を使い切るのもラクになる。
また一人分の食材を買うとなると、割高になることが多いが、
値段はあまり気にしないことも大事だ。
特に割引にひかれてたくさん買ってしまうと、あとでそれを食べ続けないと
いけないことになってしまうので注意が必要だ。
それから食材が冷蔵庫にどうしても余ってしまい、
「もう食べたくない」
と思うようになってしまったら、
それを思い切って捨ててしまうことも、決して悪いことではない。
自炊はまず「楽しく続けられる」ことが大切で、その他のことは
すべて二の次に来ることである。
◆もし個人商店に行ければぜひ行ってみる
これは「もし可能であれば」ということなのだが、地理的、時間的に許すのであれば、スーパーではなく、個人商店へ行ってみるのがお薦めだ。
個人商店で買い物することには、とてもたくさんのメリットがある。
◎お店の人と仲良くなるとモチベーションを維持しやすい
スーパーでの買い物は、ぼくのようによっぽど積極的なタイプでもない限り、
一人の孤独な作業となる。
それももちろん楽しくないことはないのだが、個人商店にはお店の人がいる。
人によっては、個人商店でお店の人が話しかけてくることが、
「うざったい」と思うこともあるかもしれないが、お店の人と仲良くなれば、
料理のモチベーションを維持するのがとてもラクになる。
食材を買った時のお店の人の笑顔を思い出すのは、家で一人で料理をする時、
大きな励みとなってくる。
さらにお薦めなのは、その店で買ったものを使って料理を作ったら、
お店の人に「おいしくできました」と報告することで、
それによってお店の人は、とても喜んでくれるから、
「ぜひまたあの店で食材を買って料理を作りたい」
という気持ちになる。
◎品数が少ないから献立を考えるのがラク
個人商店は一般に、スーパーより品揃えが悪い。
それは一見欠点にも見えるけれど、スーパーがいくら品揃えがよくても、
品揃えが多すぎて、逆に選べないということも起こるのである。
その点個人商店は、旬のものをその季節季節でポイントを抑えて揃え、
それをお薦めしてくれることになる。
毎日お薦めのものを食べるだけで、違ったものを食べられることになるから、
献立を考える手間が非常に省ける。
◎料理の方法を教えてくれる
スーパーでおいしそうな食材を見付けても、特に魚介類などの場合だと、
食べ方が分からないことが多い。
食べたければ買ってしまえば、料理など後で何とでもなるのだけれど、
食べ方が分からないと、買う時に勇気が出ないということも、あるにはある。
その点個人商店では、食べ方が分からなければ、お店の人にすぐ聞ける。
聞けば間違いなく、お店の人は懇切丁寧に料理法を教えてくれる。
以上が、ぼくが思う、一人暮らし初心者が料理を楽しんで続けるための、
食材の買い出し方である。
クドいようだが、一人暮らしの料理は効率より「楽しさ」が大事だ。
楽しさを中心に据えて考えていくと、やり方も自ずと見つかっていくものだと思う。