昨日のおっさんひとり飯は・・・。
アサリごはん。
アサリもイワシやスルメイカと同様、年中出回り、比較的安くてうまく、
和洋中様々な料理に使える庶民のお助け食材である。
味はハマグリほどの王道のうま味はないが、多少のクセがある分、
様々な食材や調味料との組み合わせを楽しめるのもいいところだ。
アサリ定番料理の一つであるアサリごはんは、洋風に作ってもうまいのだが、
昨日は和風。
ショウガをたっぷりと刻み込み、ネギを振るのがポイントになる。
よく色々なレシピで、アサリを途中で取り出して縮むのを防ぐようになっているが、
そこまで神経質にやらなくても、十分おいしいご飯ができる。
今売ってるアサリは多くが砂出ししてあるが、さらに塩水に30分~1時間浸けると
ガリッと砂を噛んでしまうことは少なくなる。
砂出ししたら、殻を両手で擦り合わせるようにしながらよく洗う。
よく洗って、殻に付いている臭みの元を取り去ることが、
アサリを料理に使う場合のコツとなる。
鍋に5センチ角くらいの出しコブを敷き、研いで15分ほどザルに上げておいた
米1カップ、洗った200グラムほどのアサリ、たっぷりのせん切りショウガ、
1カップ弱の水、酒とみりん、うすくち醤油それぞれ大さじ1ずつを入れる。
アサリは火が通るとけっこうな量の塩水を吐き出すので、
他の炊き込みご飯と比べ、塩と水の量を少なめにしておく必要がある。
フタをして中火にかけ、湯気が勢いよく噴き出してきたら、弱火にする。
10分炊き、土鍋なら火を止め10分、金属の鍋なら最弱の火にして5分、
火を止めて5分蒸らす。
フタを開けると、アサリとショウガのいい香りがする。
炊き込みご飯は煮汁がすぐに下がるので、アサリはそれほど縮まない。
ネギと捻りつぶしたゴマをたっぷりと振って食べる。
素朴なうま味が、しみじみとうまい。
あとはゴーヤのおひたしを作った。
サッと塩ゆでしたゴーヤに、卵の黄身と一味、ぽん酢醤油をかける。
黄身をのせるのはツイッターで見たのだが、ゴーヤの味をマイルドにしてくれる。
それからわさび醤油の冷奴。
わさび醤油が冷奴に合うというのは、豆腐屋のご主人に教えてもらった。
昨日は晩酌前に、四条大宮のなじみのバー「Kaju」へ行った。
おとといあれだけ飲んだのに、たくさん飲んだ次の日は、何となく反省会が
したくなり、また飲み屋へ行ってしまう。
Kajuは店が狭いから、10時~12時のピークの時間は満席のことも多く、
ぼくはKajuへはその時間を外していく。
お客さんが少ない時間に行くと、マスターのカジュさんとゆっくり話せるのもいい。
昨日はカジュさんに、先日京子さんから「飲み屋を始めれば」と言われた話をした。
「いいと思いますよ」
と答えながらカジュさんは、
「しがみ付かないことが大事だ」
と話してくれた。
人を雇うのでなければ、飲み屋は始めるのも、辞めるのもそう難しくない。
もし上手くいかなくても、それならそれで、次の道へ進めばいいが、
多くの人が、その時ついしがみ付いてしまって傷を深くする。
飲食店は、結局のところ生活のためにするものだ。
お客さんなどは惜しがって、「もう少し続ければ」などと言うこともあるけれど、
他人が自分の生活を代わりにやってくれる訳ではないのだから、
見極めは、自分できちんとしないといけない・・・。
カジュさんの話を聞きながら、ぼくは以前にも別のことで、
カジュさんに同じアドバイスをもらったことを思い出した。
それはぼくが彼女とのことで悩んでいる時、カジュさんはやはり、
「女性にしがみ付いても仕方がない」と言ってくれたのだ。
当時ぼくは、「彼女が好き」という気持ちが強すぎて、
彼女を追いかけるようになってしまっていた。
それをカジュさんのアドバイスで、「彼女と別れ、次を探そう」と決めてから、
不思議と彼女との関係がうまく回り出すようになった。
それは、「自由」ということなのだと今になってぼくは思っている。
何かにこだわり、束縛された状態では、物事を切り開く力が湧いてこないのだと・・・。
もちろん、自分が彼女を好きだという気持ちや、彼女がぼくのことを好きになり、
京都へ来ようとしていることなどは、言うまでもなく大事にしないといけない。
でも同時に、自分があらゆる選択肢を持っているということが、
「強さ」の源になるのではないかと思う。
「ぼくもおっさんなしでも生きていけるよ。」
お前はずっと、オレと一緒にいてくれよ。