陽気と並び、広島ラーメンの源流と言われる「すずめ」。終戦直後に今の広島ラーメンの原型を考案したとされる人の、直接の弟子がやっているという店。メニューは中華そば600円とビールのみ。
ひとことで言うと、しみじみおいしいラーメン。陽気もそうだったが、こんなにおいしいラーメン、僕はこれまで食べたことがない。コクのある豚骨スープに、陽気に比べるとちょっと濃い目の醤油味。昔ながらの中細で真っ直ぐな麺、味のあるチャーシュー、もやし、青ネギ。スープと麺と具と、すべてがおいしくまろやかで、また全体として突出したところの無い、上品なバランスを保っている。
この店のすごさは、50年前のやり方をそのまま変えずに保っていることなのだと思う。陽気の横川店へ行ったとき感じたが、元々完成度の高いものは、自分なりの工夫を加えると、その分劣ったものになる。誰でも自分なりの主張をしてみたいものだ。それをぐっと堪え、50年前のやり方を毎日毎日、変わらず繰り返していく。しかしそれは一見同じことのようでいて、毎日が発見の連続なのだろう。そういうことの凄さを感じる店である。
すずめ
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