『最後の親鸞』 吉本隆明著
糸井重里が薦めていたので買ったのだが、内容以前に、勿体ぶった文体がだめ。
ひらがなを多用するので、分かりやすくしているのかと言えば、そうではなく、急に知らない漢字や聞いたこともない単語が、説明なしに出てきたりする。
著者のスタイルなのだろうが、生理的にだめ。
24ページで終了。
『ヤクザの文化人類学 ウラから見た日本』 ヤコブ・ラズ著
ユダヤ人で、どこかの大学の先生なのだが、文化人類学の調査をヤクザに対して行ったとのこと。
ある組の親分とか、幹部とか、テキヤの人たちとか、ヤクザの様々な階層の人たちにインタビューをして、日本においてヤクザがどういう位置を占め、どのような認識をされているかを明らかにすることを通して、日本というものを描いて見せようという話。
志は面白いと思うし、ヤクザに対してはたしかに興味があるので、実話雑誌などにあるような、本当か嘘か分からないヤクザの姿ではなく、学術的に正しい、きちんとしたヤクザの姿が見られるのかと思って読み始めた。
しかしまず、こちらとしては知りたくもない、文化人類学のゴタクが延々と並ぶ。それは飛ばしたのだが、さらにヤクザのあり方を書いた部分も、具体的ではなく抽象的で、文化人類学の小穴からヤクザを覗いているという感じ。臨場感が全くない。
やはりこういうことは、具体的な何人かの人たちの実際の話を、そのまま直接書いてくれたらと思うのだが、たぶんそれはまた、インタビューしたヤクザの人との関係上、難しかったりするのだろう。
痒い所に手が全く届かないという感じで、これ以上読んでも時間の無駄だと思い、棄権。
86ページ。