広島ラーメンの源流に当たると言われる店へ行ってきた。広島ラーメンは終戦直後、沖稔(おきみのる)という人が始めた屋台が起源と言われているそうで、この人が次に食堂を開業し、そこで働いていた人、およびその関係者が、広島市内でいくつかの店を開いている。その一つがこの陽気。
広島の名店の特徴だと思うのだが、この陽気も街の外れにある。広島市の南の外れの江波という、広島電鉄の路面電車の終点で降り、さらにそこから10分くらい歩いたところ。何故こんな外れでやるのだろう。お客が来過ぎて手に負えないからなのだろうか。僕が行った時は午後4時半の開店直後だったため人は並んでいなかったが、食事時にもなるとこんな場所にもずらりと人が並ぶらしい。
メニューは「中華そば600円」のみ。
前日に行った「あ味」と、構成は同じ。醤油とんこつのスープに細めの真っ直ぐな麺、焼き豚、しゃきしゃきもやし、青ネギ。ところがこれが、あ味がまずかったと言うのではないのだが、死ぬほどうまかった。僕が過去食べたラーメンの中で、一番うまかったのではないかとすら思う。
実はあ味で食べた時、豚骨スープに醤油味って、あまり合わないのじゃないかと思ったのだ。尾道で魚介系のスープが醤油に良く合うのを知り、それに比べると豚骨スープと醤油はイマイチなのかも、と思ったのだ。豚骨スープの独特のコクと、醤油味が、ちょっとケンカしているようにも思えたのだ。しかしそれは広島ラーメンの原理に関わる問題になってしまうので、もう何杯か広島ラーメンを食べてから考えようと思い、ここには書かなかったのだが。
しかし陽気のラーメンは全く違った。何が違うのだろう。豚骨の他に鶏がらや野菜なども入れているらしい。いずれにせよ、醤油味と豚骨スープがうまいこと調和して、ケンカの気配は微塵も感じられない。このスープに、固めに茹でた細めの真っ直ぐの麺が、何とも良く合っている。そして全体のこってり感をしゃきしゃきもやしが程よく中和して、まあ見事。量がちょっと少なめで、メニューにご飯物などがなかったこともあり、塩分取りすぎを気にしながらももう一杯おかわりし、計二杯、食べてしまった。
陽気 (ようき)
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