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2008-07-14

松江・出雲

まずは12日土曜日。

こちらは出雲そばが名物の一つで、松江市ではお城のすぐ脇にある八雲庵がダントツに有名。もともと武家屋敷だった所で、建物や庭など、大変趣がある。



芸能人のサインなども山ほど飾ってある。

五段の割子そばを注文。



割子というのだろう、小さな器に小分けになって出てくる。

松江藩の七代目藩主、松平治郷が不昧公と呼ばれる趣味人だったそうで、その影響なのだろう、松江にはいかにも趣味の良いものが色々ある。こうやってそばが小分けにされて出てくるのも、そういうことなのではないかと思う。

変わっているのは食べ方、薬味を載せて、上からつゆをかけて食べる。そのつゆがちょっと甘め。出雲そばはそばの実を皮ごと引くため、色もちょっと黒っぽくて味が濃いのだが、それが甘めのつゆと良く合う。江戸の粋とは、またちょっと風情が違うのだと思う。

さて昨日。朝から快晴。松江市内、安いホテルを取ったのだが、窓から宍道湖が一望でき、すごいいい眺めだった。



車で出雲へ。出雲大社が近づくと、うっそうとした小高い山が見えてくる。



西日本の神社仏閣は、今まで見たものは全部そうなのだが、小高い山のふもとにある。出雲大社も例に漏れず、八雲山という山のふもとにある。木々や鳥や虫や、そういうものを育む山の生命力が、古代の人々にとって、信仰の対象となったのだろう。



参道は松並木。ここは昔は、天皇しか通れなかったそうだ。



拝殿。本殿を改修するというので、今はご本尊がこちらに移されているそうだ。



本殿を後ろから。本殿は年に何回か公開されるが、今日は入れなかった。

出雲大社は何回か改築されているみたいで、今のは江戸時代に作られた建物なのだが、古代には高さ48メートルもあり、東大寺の大仏殿より大きい、日本一大きな建物だったとか。



山をバックに。日本の神社仏閣、山を背にしているのが、ほんとに趣があると思う。



出雲大社は大国主命を奉ってあるのだが、大国主は大黒様。どこやらから奉納された大黒様の彫像が、大量に飾ってあった。



ご祈祷の風景。この他何種類かの祈祷をしていた。現役も現役、バリバリなのだ。

今回の出雲大社、宮島に行った時のことを考えて、行って癒されたいと思ったのだが、そういう目的はちょっと違ったみたい。何しろ普通の神社の神様が、10月の神無月には全員、出雲大社に来てしまい、こちらは神在月になるというくらいの、神社オブ神社、神社の頂点を極める場所だから、いかにもご利益を求めて来ているという感じの人達がたくさんいて、それって要はお金を払えば幸せになりますよ、ということなので、全く生々しいと言うか、人間の欲望むき出し、という感じの場所なのだ。さすがにちょっと、気疲れしてしまった。



参道にあるそば屋で、また出雲そば。今度は三色割子と言って、上にちょっとしたものが色々載ったやつ。これも美味しかった。色んな味がちょっとずつ味わえるのって、なかなかいいと思う。

という訳で、昨日のメインだった出雲大社訪問は、早々に終わったので、あとは余った時間で、色々見て回ることにした。



島根県立古代出雲歴史博物館。



最近になって、出雲大社の昔の柱が出土して、新しいことがずいぶん分かったらしい。



近くにある日御碕の灯台。200円払って上まで登ったのだが、僕はちょっと高所恐怖症なのだ。怖くて、すぐに引き返してきた。



経島は、ウミネコの繁殖地となっている。



ひなびた食堂で食べた、日本海丼。目鯛とブリがのヅケが、マジ?と思うくらい大量に載り、山芋すりおろし、ウズラ卵、海苔千切り、小ネギ。ヅケのタレの味と漬かり具合がちょうど良く、あまり期待していなかったのだが、びっくりするくらい美味しかった。



一畑薬師寺。

ということで、いくつかのポイントを見物しつつ、最後に松江に戻って、松江城のお堀を廻る遊覧船に乗り、割子そばと並ぶ名物である、ぼてぼて茶というのを飲んでみることにした。

遊覧船は一人1,200円。50分かけて、お堀のけっこう広い範囲を一周する。



案内役のおじさんは、銀行を退職して、今はここでガイドをするのと、宍道湖で猟師をしているとのこと。うらやましい人生だ。



木々が茂り、鳥が羽を休め、亀が甲羅干しをする、そういう中を船はゆっくり進んでいく。ディズニーランドのジャングルクルーズより、こちらは全部本物だから、よっぽど面白い。



松江には志賀直哉と芥川龍之介が、一時下宿していたことがあったとのこと。それがここ。今は普通に人が住んでいるそうだ。



船から松江城を眺める。

という訳で、最後はぼてぼて茶。



泡立てた番茶に、ちょっとした具を色々入れて飲む。風流なお茶漬けみたい。箸などを使わずに飲むのが流儀らしいが、到底うまくできず、付いていた楊枝で具を掻き出して食べた。



小泉八雲。