キムチがまだ残っていたから、イカとジャガイモと一緒に炒めた。
キムチとイカは、韓国でも定番中の定番だが、これにジャガイモを加えると、
またおいしくなるのである。
キムチは言ってみれば、韓国では日本の梅干しみたいなものだから、
どんなものでも幅広く合うのだけれど、中でもイカとの相性は非常にいい。
イカをキムチ味で炒めた「オジンゴポックム」は、韓国の定番料理の一つである。
オジンゴポックムは、イカと、ネギやきのこ類などの香味野菜を炒め合わせるが、
昨日、あれこれ思いを巡らせてみるに、どうもそれでは物足りない。
やはり何か、せっかくの味を吸わせるものが欲しいところだ。
料理はやはり、味を出すものと、出た味を吸うものと、両方あるとバランスがいい。
味を吸うものとしては、豆腐、油揚げ、麸・・・、などなどあるが、
どれを思い浮かべてみても、今一つピンとこない。
そこで登場するのがジャガイモである。
ジャガイモは、カレーや肉じゃがなど肉と合わせるイメージがあるが、
実はアサリやイカ、さらにはタラなど、魚介と合わせても非常にうまい。
さらにジャガイモは、「カムジャタン」という、豚バラ肉とジャガイモを
キムチ味で煮込んだ韓国料理があることからも分かる通り、
キムチとの相性も、抜群にいいのである。
ジャガイモは、1センチ角程度の拍子木に切り、水に5分ほど晒しておく。
ジャガイモは魚介と合わせる場合、ほっくりとさせるより、水に晒して
しゃっきりとさせた方がうまいと思う。
ほっくりとしたジャガイモと、水に晒してしゃっきりとしたジャガイモでは、
同じジャガイモでも驚くほど味がちがう。
イカは胴と中身がくっついている所を指が届くかぎり外して中身を引きぬく。
胴は内側にタテに入っている軟骨を引き抜いて5ミリ幅程度の輪切りに、
中身は目から上を切りおとし、足の根元にあるクチバシを取りのぞいて、
ぶつ切りにする。
イカは捌くのが面倒なら、捌いてあるのを買ってもいいが、イカを捌くのは
特別むずかしいことでもない。
捌いたイカは、同量くらいのキムチ、たっぷりのキムチの汁と混ぜ合わせて
下味をつけておく。
長ねぎ1本は斜めのざく切りにし、シメジは石づきを切り落としてほぐす。
酒とみりん、うすくち醤油大さじ1ずつの合わせ調味料を合わせておく。
フライパンにサラダ油少々を引いて中火にかけ、ジャガイモを入れる。
2~3分じっくりと、ジャガイモを食べてみて柔らかくなるまで炒める。
ジャガイモが柔らかくなったら、ゴマ油少々を足し、火加減を強火にして、
キムチとイカを入れる。
1分ほど炒めたら合わせ調味料を入れ、さらに1~2分炒めてジャガイモに
味を吸わせる。
長ねぎとシメジを入れ、しんなりするまで炒めたら、味を見て塩加減し、火を止める。
捻りつぶしたゴマを振る。
ご飯に乗せると、もちろんのことうまい。
イカにもジャガイモにも、キムチの味がしみている。
イカのほんのりとした風味がまたいい。
「ぼくは今日は、顔に油ははねなかったよ。」
それでお前は離れていたのか。
それからこれは、一昨日の昼めし、キムチのそうめん。
冷たいそうめんにキムチを乗せ、ゴマ油と醤油をたらし、青ねぎとゴマをふる。
これは簡単にできるが、大変うまい。