魚屋で、ようやく生サバを勧められるようになり、
昨日はそれで、サバ寿司にした。
スピナーズへもおすそ分けし、喜んで食べてもらえたのである。
サバは1年中出ているが、やはり脂が乗ってうまいのは、晩秋である。
それ以外の時期は、下手に生サバを買うよりも、旬の時期に冷凍した
塩サバを買ったほうがおいしいことが多いのだが、
今年もとうとう、魚屋で生サバを勧められるようになった。
魚屋の若大将は、やはり「京都だから」ということなのか、サバには目がない。
いいものがあると、必ず勧めてくれるのだ。
サバを食べるなら、やはりまずは、何といってもサバ寿司である。
刺し身で食べると、どうもぼんやりとした味になってしまうサバなのだが、
酢じめにすると、別物かと思うくらいにおいしくなる。
サバを酢じめにする時は、魚屋で三枚におろし、塩を振るところまでやってもらう。
吸物にするために、あらも必ず持ち帰るようにする。
塩を振ってから5時間経ったら、サッと洗って水気をふき取り、
だし昆布といっしょに酢に漬ける。
酢には砂糖を小さじ1くらい混ぜる。
漬け時間は3時間。
3時間経ったら皮を剥ぎ、中骨を4~5本、太いのだけ抜き取る。
ここまでは、一昨日の話である。
酢に漬けたサバは、ペーパータオルとラップに包み、
冷蔵庫に1日寝かせて味をなじませる。
さていよいよサバ寿司にするために、米を炊く。
水加減はやや少なめにし、だし昆布をいっしょに入れる。
炊けたご飯に、米1カップに対して酢大さじ2、砂糖小さじ2、塩小さじ1/2の
寿司酢をかけ、扇風機の風に当てながら、しゃもじを横に持って
切るようにしながら混ぜる。
混ぜたらさらに、濡れ布巾を上にかけ、冷めるまで置いておく。
巻きすの上にラップを敷いて、サバを置き、上に寿司飯1/2カップ分をのせる。
サバとご飯の間に大葉やゴマの薬味を入れてもまたおいしいが、
今回はストレート。
ラップを閉じ、巻きすで巻いて、よく押し固める。
巻きすがなければ、ラップだけでもそこそこ出来る。
常温で3時間ほどおいて味をなじませる。
サバ寿司は、置く時間が多いから時間はかかるが、
手間はさほどかからない。
水で濡らした包丁で切る。
味は付いているけれど、好みでしょうゆを付けてもいい。
サバの旬はこれからだけれど、もうずいぶん脂が乗り始めている。
サバ寿司は、最もおいしい食べ物の一つだと、ぼくは思う。
2本作ったサバ寿司のうち1本を、スピナーズへおすそ分けした。
マスターのキム君やお客さんに、喜んで食べてもらえた。
「昨日はスピナーズからは、サックリ帰れたんだよね。」
でもその後家で、結局遅くまで飲んでしまったというわけなんだ。
スピナーズの常連でもある荒木晋太郎が、個展をやります。
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