安くてうまい、アサリが旬に入っているので、せっかくだから色々な食べ方をしてみたいものですね。
アサリは世界中どこでも獲れて、しかも安いのでしょう。
酒蒸しや味噌汁など和風の料理はもちろん、クラムチャウダーなどアメリカ料理、キムチチゲなどの韓国料理、パエリアなどスペイン料理、ボンゴレなどイタリア料理にもよく使われます。
ハマグリほどの強烈なうまみはないけれど、素朴な、あまり自分を主張しない穏やかなうまみは、どんな味付けにもよく合いますよね。
ただお店によっては、もうすこし小分けにしてくれるところもありますから、もし家の近くに複数のスーパーがあるのなら、色々回ってみるといいと思います。
うちの近くの場合だと、「西友」が200グラム程度の少なめの量で出してくれているんですが、それでも1人の1食分にはちょっと多いです。
だからいつも、夜と朝と、2食に分けて平らげるんですが、今日はさらに、夜に2品、朝1品、計3品のアサリ料理を作ってみました。
水なしで売られているものは、砂出しした方がいいんですが、これは実際に砂をだすということと共に、塩水につけることでアサリが元気をとり戻し、栄養分の生産を再開するので、味がおいしくなるということもあるようです。
1カップの水に対して塩小さじ1くらい、海水程度の塩水につけて、1~2時間おきます。
ただ時々、「バクダン」と呼ばれる、とんでもなく砂をくわえ込んでいる奴は、砂出ししても効果がないんですが、これは中身が死んで、殻の中に砂だけ入っている状態なので、「ガシガシ洗えば殻がこわれて砂が出てくる」とスーパーの鮮魚担当のおいちゃんが言っていました。
砂出ししたアサリは、両手で殻をこすり合わせるようにしながら、水でよく洗います。
殻にけっこう汚れが付いているので、水を何度か換えながら、ていねいに落とします。
今回晩めしには、「ぬた」と「味噌汁」を作りました。
ぬたはアサリのむき身を使いますから、味噌汁だけ作るのに比べ、アサリ処理の手順がすこし複雑になります。
水の量は、翌朝の分とあわせて500~600ccというところでしょうが、200gのあさりで十分だしが取れます。
煮立ったらアサリをいれ、殻が全部ひらいたら、アサリをとり出す。
とり出したアサリは、ぬたに使う分、10個なら10個を、殻から外してむき身にしておきます。
器に味噌と酢を同量程度、それにからしとみりん少々を混ぜ、味をみながら好みの味と粘り気になるよう調整する。
あとはここに、青ねぎとアサリをいれて、よく和えればぬたの出来あがり。
青ねぎに貝類、それにからし酢味噌のこの絶妙なコンビネーションを発見した人は、ほんとにすごいと思います。
アサリに大根の味噌汁も、また黄金ですね。
あとは昨日は、余っていた牛肉、ニラ、それにもやしを使って、ニラ玉を作りました。
もやしは足が早いので、2日前のはどうかと思いましたが、余裕でだいじょうぶでした。
1人暮らしで自炊すると、どうしても食材が余ってしまいがちです。
これはスーパーでも商店でも、1人用の分量ではなかなか売ってないのが原因ですから、冷蔵庫に入った食材をダメにしてしまうことについて、1人暮らしの人はあまり罪悪感をもたない方がいいというのが、僕の意見です。
食材をダメにすることが理由で、自炊をやめてしまうくらいなら、ダメになった食材は、思い切って捨ててしまったらいいでしょう。
でも自炊を続けているうちに、買い物の仕方もうまくなるし、残り物の活用もできるようになってきますから、食材をダメにすることも、自然に減ってくるんですね。
これはだしでなく、水で煮てもいいんですが、やはり日本食は、昆布と削りぶしのだしを使ったほうがおいしいです。
肉の日本風な食べ方として、ニラ玉に加えるのは定石ですね。
酒は、外で飲むとつい飲み過ぎてしまいますが、ツマミをたっぷり作って家で飲めば、それほど飲まずに満足できます。
かと言って、それほど健康に気をつかっているわけでもありません。
前日のアサリと大根の味噌汁を、炊きたてのご飯にかけたもので、ただのネコまんまにも見えますが、これは池波正太郎の本にも出てくる、江戸時代から戦前にかけての東京の食べ物です。
もともとは江戸前の漁師の食べ方だったものが、一般民衆にも広まったのだとか。
池波の本には醤油仕立てで出ていますが、味噌仕立てもあったようです。
食べやすいのがいい人は、アサリをむき身にしておくといいですね。
ご飯が汁気をすって、やわらかくなってしまう前に、サラサラとかっこみます。