スペイン料理は、作り方も味付けも、わりとシンプルなものが多いのが、日本人の気質に合うと思うんですね。味のベースは、オリーブオイルとニンニク、パセリに塩、くらいでやってしまうのが少なくなく、ヨーロッパの料理の「ソースを時間をかけて作る」というイメージとは、だいぶ趣きがちがいます。
スペインは、「お米」をよく食べるのも、日本人にとっては嬉しいところです。世界中を放浪した作家・檀一雄が、ポルトガル・スペインには1年以上滞在したのも、うなずけるような気がします。
スペインのお米料理は「パエリア」が何といっても有名ですが、パエリアとは別に、「アロス」と呼ばれる、土鍋や深鍋をつかい、もう少しふっくら炊き上げる米料理もあるんだそうです。なかでも「あさりごはん」は、「男性が作る料理」として知られているとのこと。
生米から炊き上げる、本格的なお米料理であるにもかかわらず、フライパン1つで手軽にでき、時間も30分ほどしかかかりません。男性がとりあえずチャレンジする料理としては、たいへんオススメです。
◎ あさりごはんの作り方(2食分)
あさりは砂出ししてあるのを買ってくるのが一番簡単ですが、砂出ししていないのを買ってきた場合には、鍋に水1カップをいれ、塩小さじ1を溶かし込んだところにあさりを浸し、フタをして1時間くらいおいておきます。砂出ししたら、両手で殻をこすり合わせるようにして、よく水洗いしておきます。
お米は300cc。洗わずそのまま使います。
ピーマン1個。みじん切りにしておきます。
ニンニク1~2かけ。これもみじん切り。
あとは、給湯器の最高温度のお湯。2カップ。
お湯の分量は、米に対して1.2~1.3倍くらい。米を2カップに増やしたら、お湯は500ccくらいという計算です。
パセリのみじん切りを、1茎分くらい。
使う調味料は、オリーブオイル、塩、コショウです。
(1)
(2)
(3)
塩は小さじ1くらいになると思いますが、かならず少しずつ入れ、味見を繰り返しながら、自分でちょうどよいと思える塩加減にしていきます。「ちょっと足りないかな」と思うくらいが適量です。
塩味が決まったら、コショウを2~3ふりします。
(4)
フライパンのフタをしてそのまま弱火で、煮立った時から時間をはかって「20分」炊き、火を止めて5分ほど蒸らせば出来あがり。
パセリのみじん切りを振りかけます。
アサリのいい味が出て、それにピーマンの風味もきいて、たまりません。
上のレシピだと、ちょっとおこげが出来るかと思いますが、それもまた味のポイントです。失敗ではありません。
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昨日は家で、製作進行中「おっさん本」の取材がありました。編集者の人、ライターさん、カメラマンさんが来てくれて、台所やら調理器具やら、僕が料理している風景やらを撮影し、そのあと商店街で、買い物風景を撮影。最後には、僕が行きつけのバーで飲んでる風景まで撮影するという、念のいったものでした。
おっさん飯には、僕の写真もたくさん使いたいとのこと。僕の写真を載せることが、本の販売に寄与できるものなのかどうか、僕自身にはなんとも分かりかねますが、「まな板の上のコイ」ですから、がんばってポーズをとったりしてました。
昨日は「鯛の塩焼き鍋」と、上のあさりごはんを作り、みなさんにも食べてもらいました。
いつも自分が作ったものを自分で食べて、そのおいしさをブログにアップはできても、直接証明できないのが残念だったのですが、昨日は食べてもらい、「おいしい」と言ってもらえたのが嬉しかったです。
みなさんは、色々細かな作業もあるので、がんばって仕事されてましたが、こちらは「コイ」ですから、飯を食べれば酒をのみ、気分は上々。
バーでの取材が終わってみなさんも酒をのみ、色々話をしたときに、「雑誌に連載したい」という話をしたら、いっしょにあれこれ考えてくれたのがありがたかったです。