やはり年齢とともに、食べ物の嗜好は変わってくるもので、20代から30代くらいまでは、「がっつり肉を食う」のが至上の喜びだったものが、最近では魚介類や野菜のほうが、よくなってきたりしているんですよね。
ご飯にしても、20歳くらいの頃には、とんかつ定食をたのんだら、ライスを大盛りにして、さらに大盛りライスをお代わりしていたものが、だんだんライスのお代りをしないようになり、そのうち麺類に移行して、さらに最近では、酒を飲んだら、ご飯類、麺類はまったく食べなくてもよくなってしまいました。
考え方の嗜好も、やはり同様、昔ならまだ自分が知らない、新しい知識を学ぶことについて、非常な魅力を感じていたものが、最近ではどちらかといえば、新しいものは胡散くさい、用心すべきものとして捉えるようになってきている。
おそらくこれは、人生のピークをこれから迎えようという人と、人生のピークを過ぎ、あとは「どう死ねるか」を考えるようになる人とのちがいということなのでしょう。
だいたい以前は、ラーメンなど食べなかったものです。
なぜかといえば、お腹にたまらないから。
ラーメンを食べるようになったのは、ほんとにここ最近のことで、それ以前は牛丼か、中華なら酢豚や青椒肉絲などがっつり肉系のおかずの定食、または中華丼となったものでした。
中華丼は、ふつうは肉に、白菜だのタケノコだのキクラゲだのミニコーンだの、さまざまな野菜が入ったものになりますが、もちろんそれも、悪くはないけれど、それより材料をしぼった、一点集中型の中華丼のほうが、おいしかったりするものです。
どんぶり物はやはり、牛丼にしても、親子丼にしても、日本人としてはシンプルな方がいいと思うところがあるでしょう。
それで昨日は、豚肉に小松菜、それからタケノコだけが入った中華丼をつくってみました。
たいへん感単にでき、非常においしいです。
これはコマ肉でも切り落としでも、安いやつで十分です。
これを100グラムぐらい。
小松菜を2茎くらい。これは洗って水気を切り、ざく切り。
パックで売ってる水煮のタケノコを4分の1。細長く切ります。
ニンニク1かけを、たたき潰してみじん切りにしたものと、唐辛子1本を、種をだし、輪切りにしたもの。
それから合わせ調味料は、水カップ2分の1に、酒カップ4分の1、醤油大さじ1、砂糖小さじ1、酢小さじ2分の1。
水溶き片栗粉は、片栗粉大さじ1に、水大さじ2をよく混ぜる。
ゴマ油も最後にたらしますので、炒める前に用意しておきます。
酢を少し入れるので、さわやかな味になります。
鶏ガラスープの素をいれたくなる人も、いるかもしれませんが、豚肉のだしがしっかりありますから、まったく必要ありません。
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ただいま旬のアサリを使った、イタリアの代表的な料理といえば、「ボンゴレ」。
とくに「ボンゴレビアンコ」は、アサリのだしだけを使ってシンプルに味付けしたものですが、大変おいしいですよね。
これも作るのは、非常に簡単です。
1人分なら、100グラムくらいもあれば十分です。
1時間ほど、200ccの水にたいして塩小さじ1くらいの濃さの、塩水につけて砂出しし、殻をこすりあわせてよく水洗いします。
あとは、ニンニク1かけのみじん切り。
唐辛子1本の、種をとって輪切り。
白ワイン4分の1カップ。
オリーブオイル大さじ2。
パセリのみじん切り。
それに好きな分量のパスタです。
そのまましばらく中火にかけて、アサリが全部口をひらいたら、いったん火からおろします。
途中で、大さじ1~2ほどのゆで汁を、コップにすくい取っておきます。
袋に書いてあるゆで時間より、1分少ない時間で火からおろし、ザルにあけます。
フライパンを再び、今度は強火にかけ、パスタとゆで汁を加えて煮ます。
1~2分、鍋を返しながら煮て、アサリの味をからめ、パスタを食べてみて固さがちょうどよかったら、火を止めます。
アサリの塩気で、たぶん塩気は十分ですが、もし塩が足りなければ塩をふり、コショウ少々とふたたびパセリをふって、全体をまぜ合わせれば出来あがり。
アサリは安いのにこんなにおいしくて、ほんとにエライです。
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あらためてリベンジしたいと思っています。