仕事をしていても、だんだん腹が減ってくると、「晩めしをどうするか」ということについて、ついついあれこれ考えてしまうことになるわけだ。
昨日は鶏モモ肉とナスを買ってあって、これで味噌炒めをして、それをこんがりと焼いた焼きそばの上にかけて「あんかけ焼きそば風」にしようと思っていた。
「炒め物に焼きそばをプラスする」ということに最近凝っているのだけれど、味噌炒めのような粘度のあるタレだと、焼きそばを入れても、麺がタレを吸い込むのは難しいだろう。
それならばこんがり焼いた麺の上に、味噌炒めをかけて、あんかけ焼きそば風にすればいいじゃないか。
そう思ったのだ。
ところがふと急に、味噌にみりんや砂糖を入れてこってりとさせた、いわゆる和風の味付けが、中華麺と合うのかどうか、心配になってきたのだな。
中華麺はやはり、中華風の味付けでないといけないだろう。
ところが中華料理で、砂糖が入った甘い味のものって、思い浮かばないんだよな。
何かありますかね?
日本料理には、みりんや砂糖など、甘味は必須なのだけど。
味噌炒めを中華風にするとしたら、味噌と砂糖に加えて、ニンニクや生姜を入れるという手があるのかなと思うのだけれど、このニンニクと砂糖というのは両立するものなのか。
考えてみたら日本で、ニンニクと砂糖を両方入れた料理は、ほとんどないのじゃないか。
ニンニクを使った料理であるラーメンは、基本的に甘くない。
甘い和風のだしには、ニンニクは入れない。
もしかしてニンニクと甘みというのは、根本的に相容れないものなのじゃないか。
もしそうだとしたら、ニンニク入りの味噌炒めなど作るのではなく、醤油味にニンニクを入れた、普通の中華スープにして、それをそれこそ、とろみを付けてあんかけにしたほうがいいんじゃないか。
そういうふうにも考えたわけなんです。
でも考えているうちに、
「甘くこってりしているのに、ニンニクが入っている料理」
として思い浮かんだのが、一つはジャージャー麺。
これはまさに味噌のこってりした味に、ニンニクがたっぷり入っているわけですよね。
そうか考えてみたら、韓国料理というのは、砂糖とニンニクを両方使うんだ、すべて。
今書いていて分かった。
なるほどー。
ニンニクだけ使うというのが、中国料理の特徴で、砂糖だけ使うというのが日本料理の特徴だとしたら、韓国料理というのは、まさにその折衷、ニンニクと砂糖を両方使うんですね。
おもしろいですね。
とまあいきなり話が脱線したが、それからもう一つ、「新福菜館三条店のラーメン」。
これも、甘辛いコッテリした味に、ニンニクが入っている。
このように、甘辛い味ながらも、ニンニクが入っている料理はあるのだから、味噌炒めにニンニクを入れても大丈夫だろうと判断して、あくまで初志貫徹することにしたというわけなのです。
というのを、仕事中に、減ったお腹を抱えながら、あれこれ考えていたわけなのだ。
ということで作った、鶏とナスのあんかけ風味噌焼きそば。
これはですねえ、かなりバッチリイケました。
まさにジャージャー麺の味。
タレを煮詰めすぎて、若干少なくなってしまったのだけど、このタレを麺に絡めつけながら食べる。
作り方はべつに難しいことはない。
焼きそばの麺は、フライパンで、多めの油でよく焼いておく。
これちゃんとフライパンを熱してから麺を入れないと、ベチャベチャにくっついてしまうので注意。
フライパンに麺を広げたら、あれこれいじらず、じっくり焼く。
片面が焼けたら、全体をひっくり返して、裏面も焼く。
かなりパリッと焦げ目がつくところまで焼くのがポイント。
麺が焼けたら、それを皿に取っておいて、次に食べやすい大きさに切った鶏もも肉とナスをゴマ油で炒める。
鶏とナスがそこそこ火が通ったら、タレを投入。
タレは、まず八丁味噌。または赤だし味噌。
それにみりん、砂糖、たっぷりの酒。
ここで終われば、和風の味噌炒めになるわけですよね。
ここに、チューブのニンニクと生姜。
それから、半カップ程度の水を入れて、タレの粘度を弱め、多少「煮る」ということになるようにする。
タレを入れて、ちょっとグツグツとやったら、これを焼きそばの上にかけて出来上がり。
酒は芋焼酎。1合半。
ちなみに昼めし。
キャベツのソーミンチャンプルー。
ニラも入れようかと思ったのだけれど、一把178円とかいう、考えられない値段だったのでやめた。
キャベツは、「ちょっと太めの千切り」というくらいの太さに切っておけば、べつに下茹でしなくても良かったのだな。