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2011-07-22

スペアリブの醤油煮込み

昨日は土用丑の日。
スーパーにも鰻がズラリと並んでいたが、みんな鰻食べたのかな。
僕も鰻だとか、その他のごちそうを食べるということにはやぶさかではないんだが、ごちそうを家で一人で食べる気はしないんだな。
やっぱりごちそうは、一人じゃなく、誰かといっしょに食べるものだ。
だからごちそうを食べるのは、そういう時のために取っておいて、家では金をかけない、日常食を食べるようにしているというわけなのだ。

それで昨日はグルメシティ、「木曜モックン」の日。
木曜モックンというのはグルメシティの毎週の特売で、グルメシティではこの木曜と、あと日曜日にも「日曜の市」という特売をやる。
その他毎月1日には「一の市」。
でも見たところ、木曜の特売が、一番色んなものが出るみたいで、僕は木曜モックンは、毎週けっこう楽しみにしている。

また木曜モックンは、テーマソングまであるのだ。
「木曜日は~、一人で来て来て~、ファミリーで来て来て~、
木曜モックン木曜の市、木曜日が来ました~、気になるね~」
とかいうやつ。
僕はこれを聞くと、最近はちょっとワクワクしてしまう。

知り合いでグルメシティに勤めている人に聞いたら、この曲はダイエーが「ドン・キホーテ」のテーマソングを真似したものだそうで、とにかく耳に残る。
店員は、家に帰っても、このテーマソングがずっと頭の中で鳴り響いているのだそうだ。

しかしこの特売日というのは、何でもかんでも一度に安くするというのは、やめてもらえないかな。
あれこれ欲しい物が見つかってしまうのだけど、一日でそんなに色々は買えないのだ。
毎日順番に、今日はこれ、明日はこれ、という具合に安くしてくれたらいいんだけど、それじゃ特売としての意味がないということなのか。

それで昨日は、スペアリブが100グラム98円で出ていたから、それを買ってきて大根といっしょに煮込むことにした。


塊の肉を煮込むって、けっこう楽しくないですか?
僕は料理を作りはじめの頃、角煮ばっかり作っていた。
大きな肉を、時間をかけてコトコトやるうちに、それがだんだん美味しくなっていく。
「時の流れに身をまかせ~」みたいな、ゆったりとした時間が流れる所が、いいなと思うんですよね。

肉を煮るという時、やはりポイントとしては、
「やわらかく煮上げる」
という所にあるんじゃないか。
肉って下手をすると、「パサパサのもそもそ」に煮上がってしまううことがある。
それって最低。

肉をやわらかく煮上げるためには、ただ時間をかければいいってもんじゃない。
「肉を硬くしない」
ことが大事なんです。

肉というのは元々、やわらかい、ぷりぷりとした食感をしている。
ところがそれが、煮ているうちに硬くなってしまう。
そうなると、ぷりぷりとした食感はもうなくなってしまって、時間をかければやわらかくはなるけれど、ただ「トロトロ」とした感じにしかならない。
そうじゃなく、
「ぷりぷりとした食感を保ったまま煮上げる」
ことが、僕はポイントなんじゃないかと思うんですよね。

そのために一番大切なことは、
「火加減」
なんです。

肉というのは、85度を超えると、タンパク質が変質してしまう。
そうすると硬くなって、パサパサになってしまう。
だから、火加減を調節して、85度を超えさせないようにする。
そうすれば、肉が硬くならず、ぷりぷり感が残ったまま煮上がる。

火加減は、湯が「全く沸騰しないギリギリ」という状態で80度。
それだとよく分からないので、とにかく沸騰の状態が最低になるように、火を弱くする。
小さな泡がふつふつと上がってくるような、そのくらい。
そうすると、85度を超えないようにできる。

あともう一つは、肉をただの水で煮ると、どうしたって、肉のうま味成分が、水に全部溶け出してしまう。
だからほんとうは、肉はスープで煮ると、一番美味しいんですよね。
スープにはすでに、うま味成分がたっぷり入っているから、肉のうま味成分はそれ以上溶け出さず、肉がジューシーなままに保たれる。

だけど、肉を煮るために、いちいちスープで煮ている訳にはいかないから、
「日本酒」
をできるだけたっぷり使う。

日本酒っていうのも、うま味成分のかたまりだから、それがスープの代用になる。
全部日本酒で煮ると、それが一番うまい。
でもそういう訳にも行かないから、水で割る。
その分量が、日本酒が多ければ多いほど、肉は美味しく煮上がるという、そういう寸法だ。

ちなみにここで使う日本酒は、よくスーパーに売っている「塩分入り」のやつじゃ絶対ダメ。
そうじゃなく、塩分の全く入っていない、「料理用の清酒」か、安い日本酒を使う。
煮初めから塩分が入ってしまうと、やはり肉は硬くなってしまいますよね。


というわけで、前置きがえらく長くなりましたが、スペアリブの煮込み。

スペアリブと大根を、下茹でその他まったくせずに、そのまま鍋に入れる。
それでまず日本酒をジャバジャバと入れ、続いて水。
肉と大根がかぶるくらいに入れたら、砂糖とみりん。
これはお好みしだいで、たくさん入れるとこってりとするし、ちょっと入れるとあっさりとするという、そういう寸法。

それだけで、火加減を調節して、30分くらい煮る。
それから醤油をちょっと足して、30分。
さらに醤油を、味を見ながらちゃんとした味になるまで入れて、30分。
そしたら火を止め、1時間くらいは放置して冷ます。
冷ます間に味がしみ込むというわけ。

「アク」ですが、これは全く取らなくてもいい。
肉のアクは、基本的に「肉汁」なわけだから、美味しいです。
あまり取ってしまうとコクがなくなってしまう。
でも「煮汁がにごる」という見た目的な問題があるので、それが気になる人は、初めに出てくる白いアクは取ったらいい。


というわけで完成したスペアリブの煮込み。
素麺も添えてみた。
味もよくしみ、食感もぷりぷり。
バッチシだったっす。

味付けは、酒、砂糖、みりん、醤油だけだと、やはり一味足りない感じになるので、何か加えたらいいとは思う。
僕は盛り付けしてから、胡椒を振って食べた。
それもいいです。

ショウガとか、ニンニクとか、好みで入れてもいいかもね。
ただニンニクは、入れると日本酒に合わなくなる。

ソースとかケチャップとかカレー粉とか、そういうの色々入れてみても、楽しいかなとも思います。
お好みしだいですよね。

その他のおかず。
オニオンスライスは癖になりそうかも。

酒は大七からくち生もと。