福島の第一原発がまた今日深刻な状態に陥ったみたいで、昼ごろ「ニコニコ生放送」で東京電力の記者会見をみたら、2号機のタービン建屋で超高濃度の放射能を発する水が検出されたとのこと、それから気になってしまって、ニュースをずっとチェックしていた。
「1000ミリシーベルト毎時」をこえる強さだったそうだが、NHKニュースによればこれは、測定装置の針が振りきれて、本当はもっと高い値だったかもしれないが、危険を感じた測定員がそのまま部屋から逃げ出したということだったとのこと。
これもうダメなのじゃないのか。いやもちろん、現場のひとたちのがんばりにより、この危機を切り抜けることができたということになったとしたら、それはほんとに素晴らしいことなのだが、現実的には、放射能が強すぎて、だれも近づくことができなくなり、そのまま炉心が再臨界をおこして水蒸気爆発にいたるという最悪のシナリオを、そろそろ想定しなくてはいけないのじゃないかという気がする。
でもそうなると、郡山市や福島市までが避難しなければいけないということになり、あまりに影響が大きすぎるから、そのための対策をじっさいに実行に移すのは、そう簡単ではないということなのだよな。
でもそのためのシミュレーションとか、もうとっくにしていなければいけないはずだが、菅首相はちゃんとやってくれているのか。急に全員が避難するとかいうことになると、大変な混乱になるから、すこしずつ移動させたほうがいいに違いないのだがな。
しかし「ニコニコ生放送」というのは、ある「社会的な必要性」というものをほぼ確立したといえるのじゃないか。
小沢一郎がそれを通じて記者会見するなどというのは、僕に言わせればただ都合よく利用されているだけともおもえるものだったけれど、東京電力の記者会見などという重要な一次情報を、テレビではなくこちらが生中継するというのは、ある一線をはっきり越えたといえるような気がする。
今日枝野官房長官の記者会見のときにも、ニコニコ生放送の記者がけっこうきちんとした質問をして、それに枝野長官がていねいに答えるという場面も、それはNHKニュースで放映されていたしな。
テレビとはちがってインターネット放送は、記者会見を初めから最後まで中継するから、記者の質問を一つひとつぜんぶ聞けるのもおもしろい。
最悪だとおもったのが朝日新聞の週刊誌「アエラ」の記者で、昨日の東電副社長の記者会見のとき、冒頭に質問したのだが、「海水の注入の決断をしたのが、水素爆発の前だったのか後だったのか」ということを、責め立てるような調子で詰問していて、その調子が人間としての根本的な礼に欠いているということもあったし、またその内容も、あくまで「揚げ足とり」であって、ほんとはもっと、今日聞くべき大事な内容もあるだろうとおもえてしまった。
その点、今日東京電力の記者会見では、フリージャーナリストの上杉隆が、福島第一原発には「プロトニウム」の濃度を測定する、その測定装置自体がない、ということを、質問によってあばいていて、僕はあの上杉隆の軽薄な調子というのは、あまり好きではないのだが、プロトニウムといえば、今回想定されるなかでもっとも危険な、最凶の物質であって、今まではそれはまだ漏れ出していないということになっていたが、それはそれが確認されていたのではなく、ただ単に測定装置がなく、検出はおろか、測定すら行っていなかっただけだったという、衝撃の事実をあきらかにしたのはすごかった。
地震はじっさいの自然による地殻変動だったわけだが、原発の問題は、日本の社会に巨大な地殻変動をもたらしつつあるのだとおもう。これは100年に一度の、歴史的な事態なのであって、いま日本人としては、ここから目を離してはいけないのだよな。
昨日の晩めしは、「しょうゆ仕立ての豚汁」。
これなんと呼ぶんだ。
僕がいつも行く「ikoi cafe」のママは、それは「けんちん汁」だろうというのだが、けんちん汁は鶏肉だろうと、僕としてはおもっていたわけだ。
じっさいネットのレシピを調べても、けんちん汁は根菜などの野菜だけか、または肉が入ったとしても鶏肉なのだが、ママによれば、京都ではけんちん汁というのは、「しょうゆ味の豚汁」のことだそうで、そこにいっしょにいた中年女性のお客さんも、それに同意しているみたいだった。
まあなんと呼んでもいいのだが、豚はやはり、味噌のほうがうまいとはおもうが、これはこれでうまかった。
酒は福島の酒「大七 純米生もと」を1合。
今日の昼は、もうこれは仕方ないのだ、「新福菜館三条店」にてラーメン。小ライスを付け、ビールは小瓶にしておいた。