たしかに原発の件は、次から次へと新たな問題が起こり、はじめは1号機だけかと思っていたら、そのうち6つの原子炉すべてが危ないということになって、それらの圧力容器を海水で冷やせば問題が解決するのかと思ったら、今度は「使用済み核燃料」というものが別にあり、そちらの方がむしろ危ないとのことで、もう何が何だか訳がわからない、問題がいつ収束するのかもまったく見えない、という状態になっている。
さらに東北の被災地でも、1万人ちかくの行方不明者、またやはり1万人ちかくが孤立して救援を待っており、避難所に入ったひとにも物資がなかなか届かない。昨日からは気温も下がって、東北地方の最低気温は氷点下。食料や灯油、毛布もじゅうぶん行き渡らないなか、被災者のひとたちがどんなにつらい毎日を送っているのかは、想像に余りある。計画停電も実施され、電車も満足に動かない。こんな状況でおちおち飲みになど行ってられない、ということなのだろう。
僕は京都にいて、実質的な被害が身のまわりにまったく及んでいないのにもかかわらず、やはりどうしても状況が気になり、集中しなければいけない仕事はあるのだが、テレビを音を出さずにつけっぱなしにして、記者会見や気になるニュースがあると、仕事の手を休め、そちらを見るということにしてしまう。これだけ大きな災害で、状況も変動しつづけているから、それを意識の外に追いやることは、なかなか難しいことなわけだが、しかしいま、大事なことは、
「元気なひとは、元気に過ごす」
ことなのだ。
被災者を支援するために、いちばん必要なものは「お金」だ。それには日本の経済が力強くまわっていかなければならない。これから長い期間にわたって、被災地がお金を生み出す力は弱まるのだから、その分、それ以外の地域に住むひとたちは、元気にがんばらなければいけないし、そのために多少の贅沢が必要ならば、贅沢したらいいのである。
池波正太郎は、自分と弟を女手ひとつで育てた母親が、時々子供は連れずにひとりだけで、好きな寿司をたらふく食べていたと、「食卓の風景」に書いている。それが彼女の、明日からの活力の源になるのだから、悪いことなどこれっぽっちもない。
飲食店に定期的に通うということは、常連客の「義務」である。東京のみなさんが、落ち着かない、不安な日々を過ごしているということは、重々承知しているが、ぜひカラ元気でもよいから、その義務を果たし、飲み屋できちんと盛り上がってもらいたいものだと思う。
僕もがんばります。なんちゃって。
原発の問題なのだが、「どのくらい危険なのか」ということについて、いろいろ意見があって、「まったく危険はない」というものから、「東京の人は避難したほうがよい」というところまで、とても幅広いわけなのだが、僕の見るところ、これがいちばん妥当なのではないかと思える。
イギリス政府による福島原発事故の影響評価(池田信夫blog part2)
イギリス政府が科学顧問に依頼し、日本大使館に送ってきた15日時点での分析なのだが、転載すると、
- 1つの原子炉がメルトダウンしても、被害が出るのは30キロ圏内。2つ以上の原子炉がメルトダウンしても、被害はあまり変わらない。
- 現在の20キロ圏内の避難勧告は、妥当な判断。
- 専門家は、東京在住者への健康被害の可能性はないと見ている。
- 専門家は、風向き云々ではなく、東京は距離的に離れているから健康には影響ないと見ている。
- 原子炉が冷やされるにつれて、10日程度で状況はかなり改善する。
- 日本の当局から出される情報は、多くの機関から監視されており、現在まで正しい情報を流していると見られている。
- チェルノブイリとはかなり状況が違う。チェルノブイリの時は、原子炉がメルトダウンし、ケースが爆破し、何週間も炎上していた。チェルノブイリの時でさえ、30マイル(50キロ)離れていれば、健康を守るのに十分だった。一番問題となったのは、被災した食料・飲料を食べて病気になったこと。当時、食料の放射線レベルを測定したり、危険を知らせる試みは、全くなかった。
- ブリティッシュスクールの校長は、学校を閉鎖し続けるか質問してきたが、原発を恐れ、閉鎖する必要はないと回答した。
- ヨウ素に関して、専門家は、多量の放射線や被災した食料・飲料を取り込んだ際に限り必要となるもので、長期にわたり、ヨウ素を体内に取り込むのは、どんな場合であっても、不健康。
原発のちかくに住む、福島のひとたちにとっては、気の毒なことに、これから場合によっては、深刻な被害がでる可能性はあるが、原発から200キロ以上離れている東京のひとにとっては、心配する必要は何もない、ということだ。
昨日はいわしが安かったから、それを梅煮にした。
水と酒、砂糖とみりん、しょうゆ、それにくずした梅干しでさっと煮付ける。
昨日は10分煮たのだが、やはりそれはちょっと長すぎで、すこしかたくなってしまった。こういう小さな魚は、7、8分でいいのだな。
ほうれん草のおしたし。
湯豆腐。
福島の酒を買ってみた。「奥の松」の吟醸。
2008年と2009年の「モンドセレクション」で、連続して金賞を受賞したそうだが、これはたしかに、京都とも広島とも、新潟ともちがう、いかにも朴訥とした、東北の味。
値段も吟醸でありながら2,000円を切り、おすすめです。
今日の昼は、「ikoi cafe」で、鶏のすき焼き。