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2012-01-27

ニンニクとショウガをきかせ必殺の味。
「スペアリブおでん」


「おでん」と「鍋」は、冬場の燗酒の友として、東西の横綱ともいえる存在だ。

どちらもたっぷりの汁で煮るところは似ているが、鍋がさっと煮て食べるものであるのに対し、おでんはゴロゴロの具を、たっぷりと時間をかけて煮て、味を含ませる。

具が大きいから、皿によそっても、しばらくは冷たくならない。

鍋の温かみを、皿に移して、それを時間をかけ、チマチマと楽しむというのが、おでんの醍醐味ということになるわけだ。



このおでんの具だが、大根や玉子、厚揚げなどの他には、ちくわやらさつま揚げやら、魚の練り物がよく使われることとなっている。

日本は歴史的に、魚を中心に食べてきたから、魚をゴロリとしたおでんの具に仕立て上げるためには、練り物にたよる他なかったということだろう。

でも現代では、日本人も肉食をするようになっているのだから、おでんにゴロリとしたかたまりの肉を入れたって、ちっとも悪くない。

悪くないどころか、これが非常にうまいから、やってみることをぜひ勧めたい。



肉はやはり、スペアリブとか、鶏の手羽元とか、骨付きのやつが、だしもよく出るし、またおでんとしての風情もある。

今回はスペアリブ。

下茹でなど一切せず、そのまま鍋に入れる。

あとは大きく切った大根。これもそのまま鍋に入れる。

そこへ、まずはだし昆布。それから皮だけ剥いた、一かけのショウガ。やはり皮だけ剥ぎとった、一かけのニンニク。それに長ネギの青いとこを入れる。

水を張って、火にかける。



初めのうちは、アクが大量に出てくるから、ていねいに掬いとる。

火を弱め、コトコトと1時間ほど煮る。

肉や魚を煮るときは、湯気によって雑味が飛ぶから、フタはしない方がいいといわれる。



1時間煮たら、ネギは捨て、たっぷりの酒と、醤油で味をつける。

ここに厚揚げを入れ、さらに30分ほど煮る。

もちろん、ゆで卵やら、コンニャクやら、シイタケやらを入れても、間違いなくうまい。

煮終わったら、かならずそのまましばらく置く。

冷えるにつれ、味がしみ込んでいくことになる。



卓上のコンロで、鍋を温めながら食べる。

スペアリブのだしがたっぷり出て、「うまいに決まっているだろう」という味。

豚のだしのおでんとは、ちょっと意外な感じもするが、違和感はまったくない。



残り汁をうすめてラーメンにすると、これがまた、非常にうまい。