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2012-01-06

料理という「文化」に触れるたのしみ。
「韓国風 鶏の鍋」


おでんのだしを使って、肉豆腐をやったら、さらに豚のだしが加わり、ますますおいしそうになってしまったので、このだしを捨ててしまうのは、やはりもったいないですよね。

昆布と削りぶし、鶏、棒ダラ、それに豚と、絢爛豪華なうまみが混じっただし。

どうやって使おうか、色々考えるに、このだしには、あまりにも多くのものが入りすぎて、ちょっと収拾がつかないことになっている可能性もある。

そういう時は、唐辛子。

唐辛子は、魚と肉など、日本食ならケンカしかねない材料同士を、うまいこと仲良くさせ、一つにまとめる力があるように思います。

そこで前日までは、醤油味の日本風だった味付けを、韓国風に仕立て上げることにしました。



日本風の醤油味を、韓国風にするのは、じつに簡単。

韓国の粉唐辛子とニンニクのみじん切りを、たっぷりと入れるだけ。

さらにキムチも入れてしまえば、コクが深まる。

この汁で、冷凍庫に余っていた鶏の手羽元を、30分ほどコトコト煮ます。



あとは、輪切りにしたジャガイモ、玉ネギ、しいたけ、厚揚げを、10分ほど煮たら出来あがり。



韓国風 鶏の鍋。これは日本酒にもよく合います。



さらにこの汁を、うどんか雑炊にすれば、もう思い残すことはありません。






料理を「創作」として見ることが、自分でだしを取ることで、たいへん簡単にできるようになるということを、昨日の記事で書きました。

ところでレシピを見ながら料理を作るばかりでなく、自分の頭で考えて、料理が作れるようになると、料理が楽しくなるのはもちろんのこと、さらに料理にたいする見方も、大きく広がることになるんですよね。



たとえばカレーと豚汁、けんちん汁、シチュー、粕汁、キムチチゲ、などなどは、レシピでいえば、それぞれ別の材料を使い、別の作り方をするものになります。

しかし一枚皮をめくってみれば、これらの料理はすべて、肉や魚を、味付けした汁でグツグツ煮るという、まったく同じものだともいえますよね。

表面的には違うのだけれど、根本的には同じものが、料理にはたくさんある。

中国料理の焼きそばと、イタリア料理のパスタにしても、もちろんいろいろ違いはあるけれど、「料理法」というところから見れば、ほとんど同じものだといえる。



そういう、料理同士の共通点が見えてくると、「それではその料理法の、起源はどこにあるのだろう」などと、考えてみたくもなってくる。

焼きそばとパスタが、ほとんど同じ作り方をするのは、中国とイタリアで、それぞれが独立に発見したものなのか、それともシルクロードを通って、料理法が伝わっていったのか、興味があるところですよね。

中国と韓国、それに日本という、歴史的に深い関係にあった国々の、料理が違うように見えるのはなぜなのだろう、などということにも興味がわきます。



料理は人間にとって、最大の「文化」であるといってもいいものでしょう。

そのとてつもなく広く、深い文化の片鱗に、料理に創作としてかかわることで、触れることができる。

それが「自分でだしを取る」ことの、最大の楽しみなのじゃないかという気がします。