2012-01-11
疲れたときの、スタミナ料理。
「ユッケジャン」
40を超えると、だんだん疲れが取れにくくなるわけです。
僕はとくべつ長生きしたいとは思わず、できれば65歳くらいまでには、ポックリと逝きたいものだと思っているけれど、日常生活がままならないのは敵わないいから、健康にはそれなりに気を遣う。
というか、40過ぎると、健康に気を遣わないと、健康ではいられないということなんですよね。
10代の頃には、疲れれば爆睡して、10数時間でも平気で寝て、それで疲れなど一気に解消してしまうものだけれど、この年になると、そういう訳にはいかない。
だいたい、疲れがたまると、寝られなくなってくる。
最近も、年明けくらいから、早朝に目覚めるようになってしまったんです。
いつも週にいっぺん、ちょっと離れたところにあるスーパー銭湯へ行き、サウナに入っているのだけれど、寒くなってくると、寒空の中、スーパー銭湯まで行くのが億劫で、つい内湯や近場の銭湯で済ましてしまっていたのが原因なのだと思います。
それで昨日、もうどうにも疲れがたまり、我慢できなくて、昼からスーパー銭湯へ行き、サウナでたっぷり汗を流したところ、なんとこれが、昨夜は9時間の爆睡。
あらためてサウナの威力を、思い知ったという次第。
ただ普通の風呂にたっぷり浸かっただけでは取れない疲れが、サウナに入ると取れると実感するのだけれど、要はサウナの中の、遠赤外線が、効果を発揮するのじゃないでしょうか。
普通のお風呂だと、お湯を通じて、熱が身体を伝わってくることになるから、身体の中心部までは、なかなか熱が伝わりにくい。
体の中心部まで熱が伝わるまで、お風呂に入ろうとすると、のぼせてしまうことになるんじゃないかと思うんですよね。
ところがサウナは、遠赤外線だから、電子レンジの要領で、体の芯を、直接温めることができる。
だから体の芯にたまった疲れは、サウナじゃないと取れないということなのじゃないかと思うんです。
あと疲れを取るには、やはり栄養。
40を過ぎたばかりのころ、どうにもこうにも、疲れがたまって取れなくなってしまったことがありました。
睡眠を十分とってもダメ。
スポーツクラブへ通い、運動したり、サウナへ入ったりしても、ダメ。
そんなことは初めての経験だったので、どうしたら良いか分からなくなっていたのだけれど、そのころ偶然、引越ししたことにより中断していた自炊を、始めることにしたんです。
これはたぶん無意識に、身体が自炊を求めていたんじゃないかと思うんですね。
それでニラを一束、鍋に入れて食べてみたら、あらびっくり。
一晩寝た翌朝には、昨日まで疲れていたことなど記憶になくなるくらい、すっかり疲れが取れていた。
それ以来、青物の野菜は、意識して食べるようにしています。
昨日も疲れがビークに達したためか、ニラともやしを入れた、韓国風の激辛スープが食べたくなったんです。
それで作ったのが「ユッケジャン」。
牛肉の激辛スープのことですね。
ユッケジャンは本式には、牛のかたまり肉を、4時間でも5時間でもコトコト煮て作るものだけれど、薄切りの切り落とし肉で、簡単に作ることもできる。
ネットでレシピを確認してみたのだけれど、これが面白いことに、レシピごとに、作り方が激しくちがう。
日本人のレシピと韓国人のレシピとで、作り方がちがうことはもちろんなのだけれど、さらに韓国人のレシピでも、一つひとつ、かなり大きなちがいがある。
日本の料理は、これほどのちがいになることは、あまりないのじゃないかという気がするのだけれど、やはり韓国の人は、人がどう作るかなどあまり眼中になく、あくまで自分の作り方をつらぬくところがあるのかなと、ちょっと思ったりもしました。
昨日はそのレシピのひと通りをチェックした結果、日本人である僕としては、こうやって作りたいと思ったやり方で作ってみました。
けっこうおいしく出来たですよ。
まずだしを取る。
だし昆布と、ネギの青いところ、それに叩きつぶしたニンニク。
でもこれだけじゃなく、最終的に食べてみた結果、これに煮干か削りぶしを加えたほうが良かったという結論です。
レシピでは、化学調味料を使うのが多かったんですが、ただ単純にそれを省いてしまうと、やはり一味足りなかったですね。
材料を水に入れ、沸騰したら弱火にして、10分ほどコトコト煮出し、入れた材料はとり除く。
使う調味料は、まず韓国粉唐辛子の、粗挽きと細挽き。
水1リットルにたいし、それぞれスプーン山盛り1杯ずつにしてみたら、辛さが足りず、それぞれもう1杯ずつ追加することとなりました。
韓国粉唐辛子は、韓国食材店で売ってます。
日本の一味唐辛子とくらべ、はるかに辛みが低いので、たくさん入れてだいじょうぶ。
あとはすりおろしたニンニク2かけ分と、すりおろしたショウガを、それより少なめに。
ニンニクは、だしと調味料で、計4かけ分入れましたが、ニンニクがあまり好きじゃない人は、少なめにしてもらったらいいと思います。
ショウガは、あまり入れると、韓国らしくなくなってしまうので、あくまで隠し味ていどにちょこっとにしておく。
その他に使う調味料は、酒とみりん、醤油。
コチュジャンは使わないことにしました。
日本人のレシピには、すべてコチュジャンが使われているのだけれど、韓国人のレシピのほとんどは、コチュジャンは使わない。
僕もユッケジャンの場合、コチュジャンを入れてこってりさせてしまうより、使わずにあっさり目の味付けにしたほうが、おいしいのじゃないかと思います。
鍋にごま油を敷き、まず牛肉、続いて4~5ミリ厚の半月に切った大根、串切りにした玉ネギ、大豆もやしを軽く炒める。
本当は、ゼンマイを入れると本格的だけど、今回は省略。
適当に炒めたら、上の調味料を、すべて入れ、さらに炒める。
韓国の料理は、必ずこうやって、材料に下味を付けるんですよね。
酒やみりん、醤油の量は、適当にしておいて、あとから調節すればよい。
ニラを入れる。
ここで味をみて、塩と、コクが足りないと思ったら、醤油を入れて調整する。
これで大根がやわらかくなるまで、10分ほど煮ます。
ネギとしめじを入れ、ひと煮する。
しめじはこの時は入れ忘れ、入っていません。
火を止める時、黒コショウを入れたら出来あがり。
この黒コショウが、急激に、びっくりするくらい、味を引き締めます。
ユッケジャンの完成。
上のレシピに書き忘れましたが、僕はさらに、ニラを入れる時、豆腐もいっしょに入れました。
ユッケジャンには、ほんらい豆腐は入りませんが、やはり日本人としては、どうしても入れたくなるんですよね。
味の取り合わせは、もちろんバッチリ。
ユッケジャンは、ご飯にかければ「ユッケジャンクッパ」になり、最高においしいのは間違いないわけですが、僕は酒。
韓国料理も、こういう汁物の場合には、日本酒は問題なく、ちゃんと合います。
ただ辛くて舌がしびれるので、日本酒は熱燗じゃなく、常温がいいですね。
うどんを入れるのも、もちろんうまい。
今日の昼飯は、それにしました。