2011-09-22
秋鮭アラの味噌漬け焼きが、非常にうまくいった件
昨日の台風は、日本列島にかなりの被害をもたらしたようで、行方不明者も何人か出たみたいだし、各地で川が氾濫したり、また首都圏では帰宅の足が直撃され、3.11に続いて再び大量の帰宅難民が出たとのこと。フェイスブックを見ていても、東京の友達で夜遅くになりようやく家にたどり着いたという報告が上がっていたし、湘南に住む友達は、午前1時半頃になり「いま家に着いた」とネットにアクセスしてきていた。
湘南の友達は、「3.11を思い出して怖かった」と言っていたが、今年は確かに地震は大震災をはじめとして大きなのが何度も来ているし、台風もこのあいだの12号は和歌山あたりで何人もの死者を出す被害をおよぼし、また今回も首都圏大混乱。天災に文句をいうわけにもいかないが、「神様ももう少し加減してくれもいいのに」とは、誰もが思うところだろう。
京都も「台風直撃か」と思われたが、雨も風もそう大したことはなく、午後には晴れ間が見えだした。台風は東に逸れていったのだが、前回の12号も西に逸れたし、また京都には、もう長いこと大きな地震も来ていないのだそうだ。都だからと神様が遠慮するわけでもないんだろうが、京都が都に選ばれたのは、天災に遭いにくい地理的条件を考慮に入れたものだったのかとちょっと思ったりもする。
台風が過ぎ去り、今日は台風一過、秋晴れの天気になるのかと思いきや、朝から冷たい雨。急に冬になったようだ。さすがにこの天気ではパンイチで過ごすわけにもいかず、「今年の夏もこれで終わりか」とちょっと寂しい気持ちになった。
グルメシティへ行ったら、秋鮭のアラがまた安く出ていたので、これを味噌漬けにしてみることにした。と簡単に一行ほどで書いてみたが、秋鮭を味噌漬けにしようと決めるまでには、それなりの小さな葛藤はある。
秋鮭を味噌漬けにすることは、このあいだ秋鮭の塩焼きをした時に、フェイスブックに写真を載せたら、「秋鮭の味噌漬け焼きですか」とコメントをもらったことがきっかけだ。たしかに鮭を味噌漬けにするのはウマそうだなと思ったが、その時はそれで話は終わっていた。
グルメシティで秋鮭のアラが出ているのを見かけ、「あ、出ているな」と思うのだが、初めはそれだけで通り過ぎ、肉などを見に行ったりする。しかし昨日は特売日でもなかったし、肉もこれといって興味が湧くものが出ていなかったから、もう一度鮮魚コーナーへ戻り、魚も他に、面白そうなものがないとなると、この秋鮭が、自分の中でにわかに大きく膨らみ始める。ここいら辺で、「あ、味噌漬けにしようと思っていたんだ」と思い出すことになるわけだ。
僕はいろんな料理に挑戦する方であるとは思うが、挑戦が好きなわけではない。何かに挑戦すると、当然失敗の可能性があるわけだから、できれば挑戦などせず、自分の得意なものを何度でも作っていたいと思う、どちらかといえば保守的なタイプじゃないかと自分では思っている。でも「秋鮭の味噌漬け」が自分の中で膨らみだすと、もうそれを避けては通れないような気になってくる。これを避けてしまったら、自分は負け犬になるんじゃないかという、いわば負けず嫌いの精神により、けっきょく秋鮭の味噌漬けを作ろうと決めるに至るわけなのだ。
前の会社を辞めたのも、基本的には同じような話で、というかそれ以前に、大学の建築学科を出ながら、建築とは何の関係もない前の会社へ入ったのも、同じようなことだったのだから、この負けず嫌いの気質が自分の人生にとって得になっているのか、損になっているのか、自分でもよく分からないところだ。
魚の味噌漬け自体、これまでやったことがなかったから、漬け込むための味噌をどういう風に作ればいいのかもよく分からない。しかしここでネットのレシピを検索することも、やはり非常に負けな感じがして、絶対しない。べつに人に聞くこと自体は嫌いじゃないし、グルメシティ鮮魚担当の兄ちゃんとか、魚屋のおばちゃんになら、いくらでも聞いてみるんだが、知らない奴からとやかく言われるのが嫌なのだ。これはたぶん、典型的に日本人的感覚なのだろう。
それで全く自己流に、自分の思うとおりにやってみることになるのだが、要は味噌を、甘辛い味にすればいいんだろう。それで味噌に、みりんと砂糖、および臭い消しの少なめの酒で、甘みと粘度がちょうど良さげになるよう調整し、ジップロックで秋鮭のアラを漬け込んでみた。
漬け込み時間3時間ほどで取り出し、水で洗ってから焼いてみたが、これが皆さん、激ウマだった。
鮭に甘辛い味噌味の組み合わせは、石狩鍋を見ても、ちゃんちゃん焼きを見ても分かる通り黄金なわけで、まだ浅漬かりでほのかに甘辛味噌の味がする鮭が、香ばしく焼けたのは、「日本人に生まれてよかった」とつくづく嘆息せざるを得ない、酒のつまみとしては最高の一品だ。
これが198円なんですからね。どうですか。(めちゃくちゃドヤ顔)
あとは昨日のつまみはナスのおしたし。ナスをゆで水にさらさず自然に冷やしてよく絞り、昨日はおかかと醤油をかけた。
白菜の浅漬。塩もみした白菜に細く刻んだ鷹の爪と昆布、それに酢をぶっかけ冷蔵庫に入れておく。
三条会商店街の豆腐屋で買った木綿豆腐。
こういうものを肴に日本酒を飲んでると、つくづく幸せを感じるのだよな。なぜこういうものを幸せと感じるのか、ちょっと考えてみたがよく分からないのだが、やはり日本人ということなのだろう。
昨日はしかも酒は2合で、飲み過ぎることもなくさっくり終われた。