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2011-09-14

ソースの良さがわからないから塩焼きそば

あの「ソース」の良さが、どうもよくわからない。フランス料理のソースじゃなく、ウスターソースとか、とんかつソース、お好みソースなどの、いわゆる日本のソースのことだ。

子供の頃、家にソースがなかったというわけではない。朝の目玉焼きに、親父はソースをかけて食っていた。

しかし目玉焼きには塩コショウだろう。とんかつも、ソースは使わず、辛子醤油か、うまいやつなら塩で食う。フライにかけるのも醤油。

ソースは関西・西日本の文化なのじゃないかと思うのだよな。お好み焼きにたこ焼き。串カツ。前にテレビを見ていたら、やしきたかじんが、「大阪人の家の冷蔵庫には、ウスターソースやらお好みソースやら、ソースが何種類も入っている」と言っていた。実際大阪生まれの友達も、食い物には何でもソースをかけるのだそうだ。目玉焼きや揚げ物はもちろん、天ぷらにもソース。そんな人東京で見たことない。

ソースは元々、東京の洋食屋で開発されたものだそうだ。とんかつを食わせるのにドミグラスソースだと、どうも日本人の舌に合わない。それで簡単にいえば、醤油を甘酸っぱくしたような味のものを作ったということなんじゃないか。

日本人の嗜好に合うのは、やはり醤油だろう。でも醤油はそのままだと、肉に合わない。そこで醤油に甘酸っぱい味を足し、肉にかけてもうまいような味にした。

でも醤油を肉に合わせるならば、甘味と酸味の両方を加える必要はないのだ。醤油にただ甘さを加えれば、角煮などでも解る通り、十分肉に合うようになる。またただ酸味だけを加えても、餃子に酢醤油のタレを付けるように、やはり肉に合うものになる。甘味か酸味か、どちらかでいいものを、わざわざ両方加えたというところに、ソースの新しさがあったのかとは思うが、それがどうにも「くどい」感じがしてしまう。あのベタベタとしたクドさが、どうも苦手というわけなのだ。

しかし関西の文化って、クドいところがないか。新世界などに立ち並ぶ飲食店の装飾でも、極彩色でコテコテと飾り立て、東京の人間からすると考えられない感覚だ。そういうクドいもの好きの関西人に、あのソースのクドい味が、合うのじゃないかと思ったりするのだがな。


そういうわけで、ソースが苦手だから、焼きそばにもソースは使わない。塩焼きそば。今まで醤油ベースにしてたんだが、醤油を減らして塩を増やしたら、そっちの方がうまかった。

調味料はたっぷりの酒と、風味づけ程度の醤油、それにすりおろしたニンニクとショウガ。すりおろしたというのは簡単にいえば、チューブということだ。それに塩コショウを炒めながら加える。

焼きそばを作る時、ソースを加える代わりにこの調味料を加えれば良いのだが、酒のアルコールを飛ばさないといけないから、手順に多少工夫が必要。

肉と野菜を炒めたら、そこに調味料をジャーと加える。沸騰してアルコールが飛び、肉と野菜にも味が付きとしたところで、焼きそば麺を入れ、塩コショウして炒め上げる。

ニンニクは、マジ、というくらいたっぷり入れるとうまい。肉は炒める時、軽く塩をふっておいた方がいい。



カボチャの煮付けも、今まで良さがよく解らなかったもののひとつだ。これは女性が大変好きなわけだが、決してまずいとか苦手とかいうことではなく、かぼちゃの煮つけの存在理由がよく解らなかったのだ。

ひとことで言ってしまうと、かぼちゃの煮付けは、ご飯のおかずにもならないし、酒のつまみにもならない。それじゃあ食う理由がないだろうというわけだ。

しかしこれは、「ご飯・酒中心主義」に毒されていたからだということが、最近になって解った。

食事の中であくまでご飯が中心であり、おかずはご飯をおいしく食べるためにあるものだと考えるとすると、おかずは油っこくコッテリして、塩辛いものがいいことになる。炒め物とかとんかつとか最高だ。また酒を飲む時、つまみがあくまで酒をおいしく飲むためにあるものと考えるとすると、塩辛だとか塩昆布だとかを、ちびちび舐めながらということになるだろう。

でもご飯や酒を、中心と考えるのではなく、食事の献立のひとつの要素であるとする考え方だってあるわけだ。そうやって考えたほうが、ご飯を食い過ぎたり酒を飲み過ぎたりすることがなく、体にもいい。

そうやって考えてみると、おかずやつまみの多くが塩っからく、あっさりしたりコッテリしたりしたものが多いところに、カボチャの煮付けのように、甘くてほっくりとしたものがあるというのは、オアシス的な感じで、ほっと癒されるものがあるのだよな。

というわけでカボチャの煮付け、作り方はみな知ってると思うが、だしに砂糖と醤油を入れ、10分ちょいくらいコトコト煮る。醤油を初めから入れてしまうと、甘味が入らなくなってしまうから、初めは砂糖だけ入れて煮て、徐々に醤油を足していくようにする。箸をさして、すっと通るようになれば出来上がり。



昨日はあとは、秋鮭のアラの塩焼き。切り身の倍以上の分量が入ったものが、半分以下の値段で売っているのだから、買わない訳にはいかないだろう。グルメシティは他の店と比べて、アラを安く出すのでエライ。ただこういう出物は、早い時間に行かないと、すべて売り切れてしまう。


あとは冷蔵庫の中に入っているものを並べると、かなりのごちそうになってしまう。これを1時間半かけてちびちびとつまみながら、酒を1合半飲んだ。