JR徳山駅の、駅裏になるのか、新幹線口の側、出てちょっと行ったところにある、「ラーメン屋」という名前のラーメン屋。昨日は周南で仕事だったので、ネットでいろいろ調べたら、普通のしょうゆラーメンを出す店として、けっこう評判がいいみたいだった。僕は最近の、創作系にしても、無化調系にしても、変わったラーメンはあまり好きではないのだ。後学のため一度くらいは食べてみてもいいとは思うが、やはりそうではなく、いわゆる普通のしょうゆラーメン、これを愚直なまでに追求し続ける、そういう店がいいんだな。
この店は店名にしても、それからわざわざ表に「あなたは自民党?民主党?僕は無糖」という、絵に描いたようなオヤジギャクが掲げられているところを見ても、かなり洒落のきつい店主がいるということをうかがわせる。実際店主、初老の男性で、10年前に脱サラして奥さんとこの店を始めたそうだが、僕がちょっと話しかけたら、それからずっと、自分のことやら店のことやらラーメンのことやら、オヤジギャクを随所に織り交ぜながら、話してくれた。
店内はカウンター7、8席に、小さな座敷もあったかな、壁という壁にはサインの色紙やら、ポスターやら、メニューのポップやらが張りめぐらされているのだが、雑然としているという感じはせず、置いてあるものにはすべて一つ一つに、かなりの神経が払われ、愛着が込められている感じがして、大変落ち着く。夜は酒が飲めるようになっていて、つまみの一品料理もいくつかあったりしたのだが、こちらは車、かなり残念だった。
ラーメンは基本的に一種類、チャーシュー麺もあったかな、普通のラーメンは550円。スープはまったく臭みのない豚骨、ちょっとこってりめの、やさしい味。ほんとに豚骨だけを使っていて、この10年でかなりの試行錯誤をしながら、作り出してきた味なのだそうだ。薄めのしょうゆに、たぶんニンニクとゴマが、臭い消しに使われている。
麺は極細、それをけっこうやわらかめにゆでてくる。ネットで見たら、麺がやわらかいので、固め指定がおすすめと、どの口コミにも書かれていたが、忘れて何も指定しなかったのだが、やわらかくゆでても歯ごたえのある麺で、ちょっと素麺を温かい汁に入れたにゅうめん、あんな感じの食べ応え、こういうやさしいラーメン、あんまり食べたことがない気がするな。
豚骨しょうゆだが、麺は細麺、ニンニクとゴマが入っていて、意識してはいないと思うが、広島と九州のいいとこ取りという感じ、やはり山口は、地理的にそうなんだな、面白いな。替え玉100円もあって、これは自分の店が、徳山で初めて導入したと自慢していたが、広島では替え玉はほとんど見ないもんな。
後から入ってきて隣に座った、若い二人連れの兄ちゃん、替え玉を二回、三回とおかわりして、多い人は十玉くらい行くそうだが、僕は替え玉に気付いたときには汁を飲み干してしまっていて、もう一杯食べるほどではなかったので、残念な思いをした。
ラーメン屋 (ラーメン / 徳山)
★★★★★ 5.0