2008-09-01
岩国駅前 中華そば 寿栄広食堂
岩国駅前にある、老舗のラーメン屋。昭和25年創業とのことだから、もう60年近くやっていることになる。
創業者は女性だそうだが、広島で「中国の方」にラーメンの作り方を習ったのだそうだ(1)。 それはたぶん、広島ラーメンのルーツと言われる、沖稔(おきみのる)氏だったのではないだろうか。
沖氏は終戦で中国から引き揚げてきて、広島駅前で「上海」というラーメン屋台を始めた。そして昭和25年に「段原食堂」を開業。この店は今はもうないのだが、沖氏の息子さんが安佐南区大町で「しまい」というラーメン店を今も営業、またこの店の関係者が、広島ラーメンの有名店である「陽気」「すずめ」を営業している(2、3)。
まあ本当のところはどうだか知らないが、この寿栄広食堂の創業者が広島でラーメンの作り方を習った「中国の方」は、中国から引き揚げてきた沖稔氏であったとしても、時期的にはおかしくない。
実際、この店の中華そば550円は、広島ラーメンの構成とほぼ同じである。
豚骨をベースとして、鶏がらを混ぜたスープ(1)、ちょっと細めでまっすぐな麺、焼豚数枚、しゃきしゃきもやし、青ねぎ。
違うのはここでは、頼めば背脂が無料で入れられること。
入り口をはいるとすぐ注文するようになっていて、いかにも人の良さそうなおばちゃんに「中華そば」を頼んだら、
「脂っこくしなくていいですか」と言うので、
「皆さんはどうされるんですか」と聞くと、
「ほとんどの方が、脂っこくされます」とのこと、
「じゃ、ぼくもそうしてください」と言ったら、
「分かりました、そしたら少なめにしておきますね」ということで、「中華そば背脂少なめ増量」を頼むことになったのだが、写真の通り、それでもがっぽり背脂が入っていて、ちょっとびっくりした。
この店のラーメンの大きな特徴だと思うのが、スープが豚骨であるにもかかわらず、とてもあっさりしているのだ。食べた時には、鶏がら出しかな、と思ったくらい。このあっさりスープとがっぽり背脂は、悪くない取り合わせだなと思う。
麺もしこつる、しこつるって何だ、そして麺と同じくらい細いしゃきしゃきもやし。味のある焼豚と青ねぎ。全体のバランスがとても良い。
背脂がっぽりなので、たしかに脂っこいと言えば脂っこいのだが、全体の印象としてはギトギト感がまったくなく、あっさりしている。たしかにこれに背脂が入っていなかったら、あっさりしすぎなのかもしれない。
ちなみに背脂など豚の脂肪分は、品質が良いものと悪いものがあって、良いものはあっさりしていて、体に良い成分も多く含まれているそうだ(5)。
寿栄広食堂 (すえひろしょくどう) (ラーメン / 岩国)
★★★★☆ 4.0
広島ブログ